日本では色んな民間信仰があります。
まさに多神教の国です。
インドもヒンズー教などが土着の神々をどんどん抱き込んでいったのでやたらと色んな神様が居るそうですけどね。
こうした民間信仰も場所によって祀られているものや人気度に差があるようです。
奈良の街中などでは『お地蔵さん』なんてのがあちこちにあって、縁日だとかが盛んだったようです。
このあたりにも『お地蔵さん』はありますが、墓地の入り口だとか、街道の山の中だったり・・・あまりお参りしたくないところばかりですね。
山の中なんかのは、事故や行き倒れでなくなった方の供養の地蔵さんですからね。
熊野の山間部では、昔から山で生活してきましたから、「山ノ神」は当然あちこちにあります。
もうひとつ、結構あるらしいのが『庚申様』です。
そもそも、『庚申』とは暦のほうから生まれたものらしく、元は「道教」だとか・・・
いつくらいに日本に渡来し、いつ頃人気が出たのでしょうね。
どうも、人間の体に巣食う虫みたいなものを退治してもらうのに「青面金剛」とやらを拝むらしいです。
で・・・「金剛」って仏教にも出てくるような気もしますね。
「南無大師遍照金剛」なんて弘法大師を拝むような気がします。
まあ、そこが日本の良いところなのでしょう。
『庚申様』は魔よけ、厄除け、家内安全・・・何でも聞いてくれるようです。
何でも聞いてくれるから人気があって、あちこちに作られたようです。
私が育った熊野市飛鳥町小阪でも本郷と言われる地区に『庚申様』があります。
下の写真がそれですが、私の記憶と少し位置と向きが違うような気がします。
子供だったから高く感じたのかわかりませんが、もう少し狭いところでそびえていたような気がします。
こんなに祠の周りが整備されていなかったような・・・
この「庚申様」は時々荒縄でぐるぐる巻きになっていました。
まるで、罪人扱いのようなものですが、これは『失せ物』を探してもらうときにやったのだそうです。
『失せ物』『行方知れずの人間』を探す、まさに神頼みなのですが・・・
どう見ても『頼む』と言う姿勢じゃないですね。
『探してこなかったら自由にしてやらんぞ!』と言う、人間様優位の発想みたいです。
こうした『庚申様』は飛鳥町内にもあちこちにあるようですが、神川町には一杯あるのだそうです。
庚申様のことはしたのPDFページに少し解説されています。
http://homepage3.nifty.com/kinan-tdc/tour_info_pages/tourguide/20070126koushin.pdf
ここに乗っているようなツアーまで行われたりしたようです。
無精者の私はそうしたものには参加しませんから良くわかりません。
熊野市周辺地図です