LUZの熊野古道案内

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2009年 05月 31日

熊野の旅 石垣だらけの熊野 3 灰がま

 地形せいで石垣が多い熊野の山間部ですが、その石垣を利用した便利な工作物が使われてきました。
 『灰がま』と言われる焼却炉です。
 『がま』は『窯』なのだと思います。
 しかし、この辺では『穴』を『がま』と言いますしねえ・・・「肛門」は「尻穴」で『しんのがま』と言い、石垣のあなは『いしがきのがま』ですから・・・『穴』なのかもしれません。

 昔の家には少しはなれた畑や田圃の石垣を利用して、写真のような穴を作っていました。
 土の中に掘り込んだ穴をきちんと石垣で積んだもので、この中でゴミを焼きます。
 昔は家からはほとんどゴミは出ませんでしたが、家の周りを片付けた草や枝などもこの中で燃やしました。
 田圃や畑で野焼きすると火の始末も悪いし、せっかく出来た『灰』も風で飛んでしまったり、雨がかかったりします。
 灰は貴重な肥料ですし、主成分の『カリ』は水に溶けよいので雨に打たれると効き目が流れ出してしまいます。
 昔の人は『化学』なんて知らなかったのですが、経験でそれを学んでいたのでしょうね。
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 この写真の『灰がま』は家に登ってゆく道のそばにあり、その道がコンクリートで固められているので綺麗に見えています。
 『灰がま』の多くは防火の意味でも家から話されているので、休耕田や耕作放棄された畑などが増えてからは草に埋もれて存在自体が見えなくなり、忘れられてしまっています。
 今では山間部でも市のゴミ収集車が回りますからね。
 
 紙を焼いたら漂白剤の塩素分があって「ダイオキシン」が出来る・・・と、学校の焼却炉が全部使用停止になりました。
 そして・・・
 葉っぱを焼くと「葉緑素・クロロフィル」があり、塩素分があるので「ダイオキシン」だ発生する・・・
 と言う、魔女狩り的なところまで行っていますからね。
 「草木灰」を作って農地に帰すのもよく無い作業と言うことらしいです。

 田舎ではこうした「灰がま」で焼いた灰、薪をたく風呂釜から出た灰、かまどから出た灰・・・全部が貴重な肥料として農地に返されました。
 『灰』の大好きな『ネギ』はゆさゆさとよく育ったものです。
 自然に出来るダイオキシン程度では奇形児も生まれなかったようです。

 日本の田舎の風景から、あちこちで登る煙と言うものが消えていっています。
 秋に田圃で燃やす『モミガラ』の煙でさえ、後から来たノン百姓の住民に、「臭い」「煙い」と言われ、苦情が役所に行くので出来なくなってきているところまで出ているようです。

 田舎に旅行に来たのなら、あくせくとすごろくのコマのように点から点へ急ぐのではなく、ガイドブックにも無い場所を歩いて、『日本の田舎』の中に身をおいてみても良いのではないでしょうか?
 ヨーロッパでも路地裏や田舎に本物のその国の風景があるのですが、あまり覗きに行く人は居ないようですね。
 『はとバス観光』以来、日本人の観光は説明の出来るものしか見なくなってきたようです。
 『ヤジキタ』のように脱線しまくる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?

カメラは

 レンズはカール・ツァイス・イエナ ゾナー135mm f4 東ドイツ

熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-05-31 10:46 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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