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LUZの熊野古道案内

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2009年 05月 14日

熊野の旅 新緑・草いきれ 熊野古道の初夏

 紀州の山はほとんどのところは杉桧の人工林です。
 杉桧の人工林も100年とか余ってきて、巨木になると日本人のイメージでは『天然』のイメージが強くなるようです。
 まっすぐ伸びた杉木の頂は見えないくらいになるし、うっそうとした林の中は暗くて何かが居そうだし・・・
 差し込む日の光が筋状に光ったり・・・
 神々しい雰囲気が出てくるからでしょうね。
 大きな神社や、各宗派の本山などでは神域や参道に杉の木を植林してそんな雰囲気を作り出していますね。
 そういうものを見るから、逆に杉の巨木の林が神々しく見えるのか・・・
 でも、人工林なんですよね。
 熊野古道の周りもやはり人工林の杉桧の山が多いです。
 しかし、三重県側の熊野古道・伊勢街道の周辺、海岸線の方では雑木林、『温帯性照葉樹林』が沢山残っています。
 かつては、炭焼きの材料に使われていたものですが、もう半世紀ほど炭焼きも行われていないので、原生林の様相を呈しています。
 樫の類や椿、つつじ、藤などの花を付けるものなど実に色々な物が生えています。
 信州などの雑木山と違うのは、落葉しない木が多いということです。
 つまり、秋には紅葉する木が少ないし、冬になっても枯れ木が立ち並ぶ冬景色がないということです。

 季節感に少しばかり欠ける海辺の雑木林も、新緑の季節には若葉に彩られて季節感たっぷりになります。
 樫や栗の類には房のような花が咲きそろって白っぽく見えます。
 その間には天然の藤が咲きそろいます。
 藤なんてものは本来、たちの悪い植物なのです。
 発芽して数年は大人しげななよなよした蔓ですが、しばらくすると、巻きついた木の上に伸び上がり葉を茂らせ、幹を締め上げてゆきます。
 少しでも木の勢いがなくなると殺してしまい隣に巻きついてゆきます。
 でも、林業家以外は花の美しさしか知りませんね。

 今が新緑の季節です。
 木々の足元には、草が今年の分の葉を広げています。
 いわゆる、『くさいきれ』という独特の、むっとするような湿気と匂いが漂います。
 余り足を踏み入れたくないほどの草むらが道を外れることを拒否している感じです。
 自然が、『来るな!』といっている場所には足を入れないほうが賢明です。
 草刈り、山刈りをしたところは大丈夫ですけどね。
 山道でそんなところに分け入ったら、とたんに右も左も分からなくなります。
 熊野古道歩きの方のほとんどは、こうした山には素人さんでしょうから、どんどん深みにはまって戻れなくなります。
 本当に、想像以上に見通しが悪いものです。
 人間の背丈などせいぜい5尺から6尺です。
 裏白シダの大きなものやススキの丈にも満たないのです。

 熊野古道は世界遺産に登録される頃から、ボランティアの人などの手で道沿いはきちんと手入れされています。
 草を刈っていないところは入るなってことです。
 昔の旅人は、そうした所に時々入り込んだものですけどね。
 ???
 目的は「のぐそ」のためです。
 今の人と違い、ティッシュなど使わず、すぐに自然に帰る葉っぱを使ったので目立たなかったのです。
 いまの熊野古道はどこも公衆トイレが完備されているはずです。
 もう、旅人の「のぐそ」も無くなった事でしょう。
 水源さえ汚さなかったら木々の肥料になって良いことなのかも知れませんけどねえ。
 ちなみに・・・
 昔の山主は、山で立ちションするときは、必ず自分の山でしたものです。
 オシッコの一滴と言えども大事な山の肥料ですからね。

 新緑の季節、一番鮮やかに写し撮るのが「赤外フィルム」です。
 新緑と古い葉っぱの違いが肉眼以上にはっきり出ます。
 この違い同様、同じに見える葉っぱでも「光合成」の活発さが違うのだそうです。
 植物でも動物でも同じなようです。
 植物のすごいところは、古木でもその先端では毎年新芽を出し、新しい葉っぱを広げることです。
d0045383_11125642.jpg


熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-05-14 11:13 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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