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LUZの熊野古道案内

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2009年 05月 12日

熊野の旅 サラタケの季節

 タケノコの旬が終わり、ゴンパチも盛りを過ぎ、海のほうではイワシやウルメが大きくなりすぎることになると、『サラタケ』の季節です。
 『サラタケ』に漢字を当てると『皿丈』のはずです。
 身の丈5寸ほどに成長した『スルメイカ』の子供です。
 深いところから浅い砂地の浅い海に散乱しに登って来、その子供が孵化して深い海に落ちてゆく少し前に獲るやつです。
 資源保護の面から見るとどうなのやら分かりませんが、この辺りでは非常に喜ばれる『初夏の味』です。
 店頭に「サラタケ」が並ぶと。「もう夏だなあ・・・」と思うものなのです。

 同じ大きさの『赤いか』も並びますが、不思議なくらい味が違います。
 生の時には『赤いか』な名前の通り少し赤いです。『サラタケ』は白っぽいです。
 でも、区別が付かない人も多いでしょうね。
 ところが、一旦、煮物になって口に入ると別物なのです。
 5寸とか小さなものですから、『ワタ』が入ったまま煮ます。
 今流で言えば、『スルメイカの子、イカ墨煮』と言うところです。
 イタリアレストランなら、わざわざ高い金を払って『イカ墨』を注文するのに、家庭とか日本料理店では、『真っ黒になる』とか『下品だ』などと、その『イカ墨』を一生懸命除いて調理することが多いですね。

 熊野は田舎です。
 田舎ではそんな上品な料理はありませんから、サンマもアジもはらわたが入ったままで丸干しにして、頭もはらわたも食べてきました。
 当然、こんな小さなイカははらわたのままで煮て、そのまま丸カブリします。
 スルメイカですから、背骨?がありますから、それを口に中からスーっと手で引き抜きます。
 これの食べ方も余り上品とはいえませんね。

 同じ大きさでも、『赤いか』と『サラタケ』では全く味が違う原因は、『身』ではなく『はらわた』『イカ墨』の味の違いなのです。
 『サラタケ』はちびのくせに一杯墨を持っています。
 当然、煮汁は真っ黒です。
 それだけにその墨がまずかったらこんなに珍重されないでしょうね。
 好きなものにとっては、何とも良い香りと味なのです。
 そのかわり、イカ墨の嫌いな人にはとても食べられないものなのかもしれません。

 いつも書きますが、『こうした田舎料理は旅に来て料理屋などで注文すると、『郷土料理風』なものに化けています。
 板前さんにしてみると、泥臭い田舎料理のままでは格好付かないと思うのでしょうね。
 それも仕方ないかもしれませんが、見栄えがよくなった分・・・味が上品になった分・・・昔からの地元の味とは違うものになっているのです。
 もっとも、地元でも『文化人』はそうした化けた料理の方を褒めますけどね。

 私は『野蛮人』ですから、泥臭い素人料理の方を好みますし、皆さんにもお勧めします。
 と言っても、どこで食べたらよいのやら・・・
 私も自分の分は作りますが、よその人の分まではねえ・・・
 レシピなんて無いんです。
 田舎料理は『勘』の問題です。
 田舎の煮物に、『砂糖大匙1杯』『醤油大匙3杯』『みりん少々』・・・・なんて、おかしいですからね。
 『砂糖はちょこっと』『醤油はドバドバッと』『みりんがあるのならちょっと入れて』・・・が昔のスタイルですね。
 その手加減の違いが『その家の味』で、『ドバドバッ』がうまく止められる人が、『あそこのばあちゃんは料理がうまい』と言われたものです。

 都会でも出ているのかなあ・・・
 5寸ほどの小型の『スルメイカ』が出ていたら、そのまま煮て食べてみてください。
 塩でも醤油でも良いです。
 砂糖は抜いた方が良いです。
 せいぜい酒を加える程度で良いでしょう。
 生姜なんかも無くてよいです。
 イカが新しければそれだけでおいしいのです。
 生姜を使うなら、煮てから下ろし生姜を添えた方が良いでしょう。
 『煮る』より『茹でる』と言う感じですね。
 うまい下手よりイカが良いか悪いか・・・
 6寸を超えてくるとおいしくないです。
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熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-05-12 11:04 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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