ミュージカルなどには『美女と野獣』なんてのがあります。
今、日本の田舎ではその「美女」が居なくなって。「元美女」が増えています。
そして、近年の悩みは『婆と野獣』の関係です。
「野獣」もディズニーなどのようなものではなく、本物のけだものたちです。
明治期に狂犬病の流行だったらしいですが、「日本狼」が絶滅したらしいのですが、他の獣は増える一方です。
学者に言わせると「ツキノワグマ」は絶滅しかけているとか言いますが、この辺ではまだまだうろついているようです。
戦中・戦後の食糧難に時代には貴重な蛋白源・食料として山の獣は追い掛け回されましたが、飽食の時代になって食料として獲ると言うことも減って、いわゆる『遊猟』に変わったのです。
その頃からは、本職的な人が居なくなって行き、日曜ハンターが増えました。
そして、そうした時代に入って何十年にもなります。
当然、『猟師』が居なくなって『鉄砲持ち』になり、その『鉄砲持ち』が老齢化しています。
統計上でも「老人」になる年齢の人が増えてしまい、山を駆け回ることもなくなってきました。
おかげさまで、都会の人なら喜ぶような光景が日常的に見られるようになってきました。
家の庭にも屋根の上にも『猿』が姿を見せます。
夜ともなると、お庭で足音が・・・
来客ではありません。
鹿やイノシシたちです。
狸なんてのは街中でも見かけます。
こいつらは、決して遊びに来ているのではありません。
人里へ食事に来ているのです。
大根・トマト・茄子・きゅうり・瓜・すいか・サツマイモ・かぼちゃ・にんじん・みかん・柿・・・みんなおいしい食べ物なのです。
探し回らなくても、軟らかな土のところに一杯生えているし、人間は大きくなるまでは採らないし・・・
うまく行けば、生よりおいしい「干し柿」や「干し芋」になってぶら下がっているし・・・
おまけに、その辺にいるのは。足も遅いし、石も投げられない『ばあさん』ばかりです。
『裸 天国 琵琶湖温泉 ホテル紅葉』なんてCMがあったようですが・・・
『おさる 天国 ばあさんご苦労 田舎の一軒屋』 ってことです。
そこで・・・
熊野市では・・・
『獣害対策』に『威嚇用電動ガン』を貸し出すようになりました。
東京の郊外では「戦争ごっこ」の公園建設でもめているようですが、ここでは『市役所』が格好よい自動小銃型のを貸してくれるのです。
これが、若者の娯楽用ではなく、老人の生活防衛用であるところが悲しいところです。
中東の田舎並みに、お年寄りが手ぬぐいでほうかむりして、手に自動小銃・・・と言う光景が普通になりそうです。
もう一つ・・・
イノシシなどを防ぐための『電気柵』などにも補助金が出ます。
今では田舎で普通に見られる、細い電線を張りまわした柵の設置には資材の半分もしくは5万円を上限に補助がでます。
これも、外国で見られる、自分の土地は鉄条網で守る・・・と同じですね。
日活では昔、西部劇まがいの映画を撮りましたが・・・
『さすらいのガンマン』ならぬ『老いぼれのガンマン』、『人生の夕暮れガンマン』なんて光景が出現です。
そうですね、その人達は小林明なんかの世代なんですね。
『シェーン』なんて映画では、格好よい流れ者のガンマンがお母さんと小さな子供の家を守ってやり、又、格好よく去ってゆくのですが、今の日本の田舎では「シェーン」も守ってあげたくならないような・・・
いやいや・・・
今では「シェーン」もそれに似合う年頃でしょうけどね。
カメラは
ニコマートEL+シグマワイドズーム+TRI-X
熊野市周辺地図です