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LUZの熊野古道案内

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2009年 03月 05日

熊野の旅 そろそろ旬の終わり 高菜

 熊野は暖かい土地なのに、名物は冬のものが多いのです。
 『サンマ丸干し』『サンマ寿司』『高菜漬け』・・・加工品は保存技術の進歩で年中出回りますが、本来は冬だけのものです。

 『高菜漬け』の原料は『高菜』です。
 菜っ葉類の一種ですから、生育に適しているのは冬です。
 どうしてこいつらは寒い冬に育ちたがるのか分かりませんが、寒風の中で葉っぱを縮らせながらも元気に伸びてゆきます。不思議な連中です。
 ほうれん草などもそうですが、冬野菜の類は、生育が遅くても寒い露地で育てた方が味は良くなります。
 暖かいところですと、育ちは良いのですがその野菜が本来持っている香りや味が少なくなります。
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 このプランターの隅っこに生えている『高菜』は落ち生えです。
 でも、生き生きと立派に育っています。
 海のそばの我が家では高那は良く伸びます。
 今年は暖冬でしたから余計に良く伸びました。
 ほんの少し植えつけてあるだけですが、家庭用の漬物器で少しずつ漬けて行きます。

 『高菜漬け』は簡単な漬物です。
 高菜と塩だけ・・・せいぜい唐辛子があればいいだけです。
 漬物の原点のようなもので、漬けて3日ほどで食べられます。
 『新漬け』の状態の時には、高菜本来の辛味も残っています。色も紫色が残ります。
 日にちが経てば色はドンドン汁の方に出てしまい葉っぱ自体は緑色になってきます。
 そして、しばらく置くと発酵が始まります。
 漬け汁に白い膜が張ってきます。乳酸発酵です。
 もちろん下手するとカビが生えてきますけどね。
 乳酸発酵してくると『古漬け』になって、色は琥珀色・べっ甲色になります。匂いは発酵臭がして、所謂『臭い漬物』になるのです。
 これはこれで、おいしいものですが、最近ではあまり食されなくなっています。
 昔は自家用の漬物を漬け込めば、必然的に春が終わる頃には全部『古漬け』になっていましたから、『これを食べなかったら、捨てるために漬物を漬ける事になります。
 タクアンでも、今は匂いのする沢庵が減っていますね。
 グルメだ何だと言いつつ、日本古来の発酵食品文化は捨てられてきているようです。
 私も、高菜漬けは古漬けにしないで、新漬けの間に冷凍保存します。

 高菜も大根などと同じで、長日性の物ですから、日も長くなっているし、気温も上がってきているのでもうすぐ花が咲きます。
 塔が立ち始めると、この艶やかさが無くなります。当然硬く筋っぽくなり漬物にも使えなくなります。

 春になって、水が温んで、菜っ葉を洗うのが苦にならなくなる時には『高菜漬けの旬』は終わるのです。
 昔の女の人は、寒風の中、川で大量の高菜を洗って、樽一杯漬け込んだのです。
 ヒビやアカギレの無いのはよほどお金持ちの奥様だけでした。
 でも、この高菜漬けが大事なおかずでしたから、漬け甲斐もあったのです。
 決して箸休めでは無かったですからね。

 ???
 野沢菜のように温泉のお湯で洗ったらどうなるのかなあ???
 柔らかな菜っ葉だから溶けちゃうのかもしれませんね。
 それに、高菜漬けの本場の飛鳥・五郷には温泉は無いですしね。

熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-03-05 11:28 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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