LUZの熊野古道案内

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2009年 02月 15日

熊野の旅 冬の王者 鰤 

 日本の海の味覚で、冬と言えばやっぱり『寒鰤』でしょう。
 『ぶり』は出世魚なんて言われて地方によっては縁起物ですね。
 出世なのかどうかは知りませんが、やたらと名前を変える魚です。

 小さなときから結構脂の乗ったものですが、『鰤』と呼ばれるようになると一段と脂が乗ります。
 でも、この魚とて、脂が乗ればそれでよいかと言うとそうは行きません。
 単純に脂の話なら、養殖物の方が乗っています。
 でも、波の静かな湾の中で狭い生簀で餌だけはたらふく食って育ったものは身がしまらなくて柔らかです。
 餌が改良されてきて、『養殖は臭い』なんてことはほとんどありません。
 テレビの番組ではないですが、目隠しをして刺身を食わせたら区別がきちんとできる人はほとんど居ないと思います。
 二つで比べたら確率1/2で当たりますけどね。
 刺身ならむしろ養殖の方が固すぎなくて美味しいかも知れません。
 大海原を回遊してきた天然ぶりは身がしまり過ぎ気味です。
 水揚げしてすぐのものの腹身・トロの部分など歯が立たないほど固いです。味わうと言う段階ではないくらいです。
 『魚は新しい方が・・・』などとテレビではやたらと言いますが、決してそうではないのです。
 肉ほどではないですが、物によって、食べ方によっては絞めてから食べるまでに適当な時間が必要なものもあるのです。
 それを越すと、ふにゃふにゃで下手すると綿のような感じになってしまいます。
 まあ、都会では生簀料理の店以外では締めてすぐなんてのが口に入ることはありませんけどね。

 天然寒鰤が一番おいしく食べられるのは『照り焼き』ではないでしょうか?
 醤油ダレに漬けておいてもほとんどしみこまないほどの脂ですから、炭火で焼くと大変な煙でしまいは燃え出しますけどね。
 今ではこの『寒鰤』があまりあがらなくなってしまい、ものすごく高いものになっていますね。
 しかし、戦前には全国的にものすごく獲れたようです。
 『大敷網』が開発完成してまさに一網打尽にしていたようです。
 以前に四国の方の古い写真で、鰤を石垣のように積み上げた様子を見たことがあります。
 輸送手段もあまりないし、冷凍なんてないので、獲り放題獲って果ては肥料にしたのだそうです。
 ニシンもそうですね。
 獲り放題獲って、肥料にして・・・そんなに安く売っても『ニシン御殿』が建つほど獲ったようです。
 そして、ニシンも鰤もすっかり居なくなったわけです。

 『ぶりの季節』ももうすぐ終わりです。
 春になってから揚がる鰤は『彼岸鰤』と『呼ばれます。
 こうなると高級魚が雑魚並になります。
 体に『虫』が入ったものが出てくるからです。
 切り身にしてもはっきり分かるような回虫のような虫です。
 特に毒をもっているものでもなし、ぶりの体内で育ったものですから、加熱して食べれば問題はないはずなのですが・・・気味の良い物ではありません。

 高級な『寒鰤』として大敷に入ってくれるか、安い『彼岸鰤』になってから入るか・・・とんでもない違いなのです。

 今の時代、平洋側の鰤漁は富山湾のように豊漁になることはないようですね。
 はまち養殖で稚魚を獲るので余慶にぶりが居ないのですけど・・・
 それより、海水温がもう少し上がると、鰤はやって来ないのでしょうね。
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 カメラはセンチュリー・グラフィック+トプコールs65mm

熊野市周辺地図です

by je2luz | 2009-02-15 11:53 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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