熊野市内から30分ほどで山頂まで車で登れる『長尾山』からの眺めです。
冬の低い位置にある太陽が海を照らして美しく光ります。
標高は782mですが。七里御浜の始まりの木本からお終いの新宮まで見渡せます。遠い方では太地町の梶取岬(かんどりみさき)もはっきり見える場所です。
後方向は紀伊山地の山々がぐるりと取り囲んでいます。
緑の巨大な山塊以外は何もありません。
この写真に見えている足元のほんの少しの平地と丘陵部分が紀伊半島では広いと言われる『七里御浜』沿いの部分です。
空が広くて、広々と感じるのは無限に広がる海の上の空を自分の物のように感じるからです。
実際はちょいとした川の河川敷程度しかない物なのです。
川には対岸部分もあるのですが、熊野灘には対岸部分がありませんからね。
こんな所ですから、昔から神々は暮らせても、まともな豪族も大名も育たなかったのです。
そして、近代になっても、国の守りとしてこんなに突き出しているのに重要視もされませんでした。
戦後の開発期になっても、列島改造論でも取り残されました。
おかげさまで、地元の人の生活廃水とかで汚す他には川も海も殆んど汚しませんでした。
汚す原因になっていたパルプ工場も一つ残して閉鎖なったし、人口も1/3ほど減りました。
猿や猪、鹿や狸・・・動物はどんどん増えています。
『熊野古道』が『古道』になる前の時代に戻ってゆくようです。
神々と仏の気配しかない場所が身近になっています。
団体ではなく、一人とか二人で訪れるのがよろしいかと思います。
カメラは
センチュリー・グラフィック+トプコールS65mm