LUZの熊野古道案内

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2008年 12月 12日

熊野の旅 食習慣 海と山

 『魚は山で買え』と言う言葉があります。
 川魚の話ではありません。海で捕れる魚のことです。
 一山越えた辺りで買うと、魚が安くておいしいと言うことなのですが、この言葉は今では死語ですね。
 昔、飛鳥などの山間部へ、新鹿や泊の魚売りが山越えで行商に来ていた時代の話です。
 市場を通さないで漁師から買った魚を運んできました。
 今流に言うと、生産者直売みたいな物ですね。
 定期的にお得意さんを回って、全部売り切って帰る行商ですから、新しいし、何しろ徒歩ですから交通費は要らないし、店が無いので経費も安いですから、魚も結構安かったのでしょう。
 だから、こんな言葉が出来たのかと思います。

 いくら『魚は山で買え』なんて言っても、海からの距離が遠くなってしまうと、まともな肴が届かなくなりました。
 京都へは若狭から『鯖街道』が延びていて、新鮮な鯖が届いたといいますが、やはり基本的には『しめ鯖』などで食べて居たようですね。
 この辺一帯で、一番好まれる魚、『しび』(まぐろ)は比較的痛みの遅い魚ですが、奈良県の吉野郡に届くのは殆んど『塩シビ』でした。
 冷蔵設備の無い時代ではこうするしかなかったのでしょうね。
 当然、食べ方が変わってしまいます。
 刺身で食べるにしても、『酢』を使います。
 もう一つは、ご飯に載せて『お茶漬け』になります。
 北山の人は、『美味しい・・・』といって食べていましたが、熊野の人間からすると決して美味しい物ではありませんでした。
 塩をしていない、新しいシビを届けても、酢を掛けたり、無条件でお茶漬けにしたり・・・
 もったいないような食べ方をしていましたが、それでも、『やっぱり、新しいシビは美味しい!』と喜んでいました。
 これが、土地土地の食習慣って物です。

 そうそう・・・
 昨日書いた『サンマの丸干し』ですが、普通は片側二匹ずつ振り分け荷物風に4匹一まとめに紐で縛り、吊るして乾かします。
 売るときも、そのまま吊るして売っているものが多いです。平に置いてあっても紐でくくられたままの場合が殆んどです。
 つまり、『サンマの丸干し』と言うものは『4本セット』なのです。
 少なくともシーズン中は『4匹セット』で売っているのが殆んどです。、
 だから、買うときは最低4匹買うのです。
 昔は一人半分、とか1/3とかで我慢していたのですが、世の中が少し楽になってからは、目の前にあれば食べちゃいますから、この辺では一杯出てきます。
 小魚の類も、大体たくさん出てきますね。
 都会のように『あじ1匹』なんて出し方はしませんね。
 上品ではありませんね。
 これも、この辺の食習慣になっています。
 でも、旅館などで出るときは都会の人に合わせて、大き目のを一匹出しているようです。
 つまり、熊野へ来て、同じような物は食べるけど、ちょいと違うということです。
 これは、何処の郷土料理でも、家庭と料理屋が違うのと同じことですね。
 たとえ、『郷土料理』を看板に出していても・・・なのです。
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木本町全図です

by je2luz | 2008-12-12 12:03 | 熊野 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 奈良熊本 at 2008-12-13 05:47 x
おはようございます。
立派な釜戸ですね。
ガスも電気もない不自由な時代の産物でしょうが、
逆に贅沢さを感じてしまいます。

そうですね、今年は、『サンマの丸干し』を目当てに、
少し遠出をしてみようかと思っています。

PS:余計な情報ですが、私が気になっていた急斜面3000坪は
  52万円ほどで落札されたようです。
  どんな人が購入したのでしょうね。
Commented by je2luz at 2008-12-13 15:46
 これは木本の旧家のかまどなので立派な物です。
 下男とか女中とか居た時代のものですね。
 時間がゆっくり流れないとかまどでの炊事は出来ませんね。
 なにしろ、付きっ切りになりますからね。

 鬼ヶ城東口の土地は噂にもなりませんね。
 弁天様があるところですから町内会とか信者さんが持てばよいのですけどね。
 それにしても高かったですね。


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