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LUZの熊野古道案内

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2008年 11月 14日

熊野の旅 林業 4 林相

 杉の林だから杉ばかり、桧の林だから桧ばかり・・・
 畑の作物ならそれが理想です。
 与えた肥料を他の植物に取られないし、生存競争で余分なエネルギーを費やさないからです。
 林業界でも、一時期はその考えが入ってきていたときもあるようです。
 超密植にして、早く枝同士がぶつかるようにし、木と木に成長を競わせて上の伸ばす、そして、光が当たらなくなった下の方の枝を早く落とさせると言う育林方法が導入されました。
 当然、限界が来ると木が枯れ始めますから間伐はしますが、軽めの間伐で競争の原理は生かしておきます。
 こうすることによって、木が上に伸びるのが促されると共に、下の地面に全く光が届かなくなるので下生えが生えなくてやまかりの手間が省けると言う利点もあるのです。
 尾鷲を中心とする、桧の柱材を育てる地域からはじめって広がって行きました。
 こうした本当に単一の林相で見事に空間を埋め尽くした山では、木の下はトンネルの中並みに真っ暗で何も生えていません。
 地面はヌルヌル、つるつるです。
 必要以上に腐葉土の分解が進んで土がむき出しになってきます。
 
 山は畑と違い急斜面です。
 植物たちが枝を張り、根を張って土を掴まえているから土が流れ出さないで止まっていますし、土砂崩れも防がれているのです。
 それだけに、こうした林地は非常にもろくなります。

 こうした林業手法は、そんなに昔に考案されたのではなさそうです。
 建築材の柱がもてはやされて、50年とかの若い柱用の桧を作ることを目指してからですから、せいぜい大正位からでしょう。

 こうした林相を目指したわけではない普通の山がこの状態になって来ています。
 そもそもが、昔より苗をたくさん植えるようになったのに、途中で管理を放棄することになったので、目指したわけではない単一林相の山が出現してしまったのです。

 間伐をしてからその隙間が早くなくなるのはそれだけ木が早く育っている証拠で、楽しみに待ったものです。
 『早よう塞がったのう・・・』などと喜んだ物です。
 そして、塞がると間伐して光が入るように・・・もっと枝を張れる空間を作ったものです。
 光が入れば下生えは生えるし、かずらやツタは伸びるは・・・あまり嬉しくないような光景生まれますが、これが自然な山の姿ですし、『山抜け』なんて災害が少なくて済む道なのです。
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 昔なら山に入る人が多くいたし、山で働く人や山主たちは通りかかった山でかずらやツタが木に巻きついているのを見ると腰につけた『なた』でそれを切って歩いた物です。
 自分の山だけではなく通りかかった他の人の山でも道の近くのものなら切った物です。
 今では、山道を歩く人も減ったし、今の山菜取りの人ではゴミを捨てることはあってもそういうことをしてくれる人は皆無です。
 熊野古道になったり、見物ポイントへの道を持つ山主はゴミと火事の心配だけを貰った形です。

木本町全図です

by je2luz | 2008-11-14 12:39 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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