LUZの熊野古道案内

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2008年 11月 12日

熊野の旅 林業 育林 2 植林

 杉・桧などの樹木も植物ですから。野菜などと『育てる』と言う点では同じです。
 種を蒔いてから収穫までの期間がものすごく長いと言う違いがあるだけです。
 野菜だと早い物は一ヶ月、遅い物でも半年ほどで収穫期を迎えます。
 果樹はもう少しかかりますが、桃栗三年柿八年・・・とやらの話です。
 杉桧は特殊な磨き丸太を除き早くて40年、普通の建築材では60年から80年、内装材だと100年から200年と言うとんでもない年月がかかります。
 植えてそのまま放って置いても木は育つと思っている人も結構居ますが、そんな生易しい物ではありません。
 大体、植え付けまでに、苗を育てるのに二年から三年かかります。

 種を蒔いて、発芽したら雑草を取りながら一年育て、移植してまた雑草を取りながら育てます。
 あまり越えた畑では、ひ弱な苗になりますから、やせた畑で育てます。
 こうして育てた苗を、山に運んで植えつけますが、畑作業と違い苗を運ぶだけでも大変な仕事になります。
 大体、伐採を終えてから苗が植えられるようにするのも、普通の畑を耕すようなわけには行きません。この作業を『地あらけ』『地こしらえ』といいますが、急斜面での人力作業です。

 苗の植え付けはこの辺では2月末から始めます。昔は稲の作付けまでに終わらせるようにやったものです。
 あまり遅くなると、苗の新しい根が動き出してしまうので早く終えるほうが活着率が高くなるようです。
 山の上の広い範囲の話ですから、一般的には苗を植えたら水をやる・・と言う作業がありますが、それは出来ません。苗の生命力に任せるのです。
 苗を植える時は深く広く掘り起こして・・・と言う一般の常識も山では仇になることがあります。
 掘り起こせば、根も伸びよい代わり、深くまで乾燥が進みます。
 植え付けが終わる頃には春の雨も降りますし、梅雨も来ます。しかし、春の日照りもあれば梅雨明けの土用の旱魃もやってきます。
 野菜の苗のように10日やそこいらで根を張りなおすようなものではないし、水をやることも出来ないので深く広く耕すことはあまりよく無いのです。
 乾く斜面では、唐鍬(トンガ)で一振りし、こじ上げて隙間を作り、その隙間に苗を入れて足で踏み固めるのが理想だとまで言われています。
 伐採が終わって、何も生えていない山は想像以上に乾燥します。
 1尺・30cmほど掘っても土煙が出るときすらあります。
 そんな過酷な所に人工的に苗を植えるのですから苗も人も大変なのです。

 これだけでも大変な労力・経費がかかりますが、これが育林の始まりなのです。
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木本町全図です

by je2luz | 2008-11-12 12:12 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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