『御輿』とは『輿』であり『乗り物』です。
祭りのときに『神様』が乗って神域の外に出てくる乗り物です。
大体において細かい細工のされた非常に高価な代物です。
人件費の安かった時代にはどうだったのかは分かりませんが、今の時代になると一千万円とか数千万はすぐにかかるそうです。
細かい部材を一杯組み立てていて、ものすごく目方のあるもので、恐ろしく丈夫に出来ています。
年に一回、二回とはいえ、振り回され投げ出され、酒や水をぶっ掛けられ、はては湖に入ったり海水までぶっ掛けられながら百年でも持ちこたえます。
普通の木造住宅ではとても耐えられませんね。
木本神社の御輿も祭りの当日、神主さんが神事の後でお御輿に神様の宿ったお札を乗せます。
この『お札』が乗ったときから、ここが『お社』見たいな物になり、神聖な物になるわけです。
本来は、その神様が乗った乗り物を、早くから禊をし、酒も女も絶って身を清めた男たちが担いで回るものなのです。
地域によっては今でもそれに近い慣わしの所もあるようですね。
そうした神様の乗り物のはずが、前に書いた僧兵が担いで悪さした『比叡山の御輿』同様、暴れるみこしが多いようですね。
もし、神様が乗っておられるなら・・・
私がもし神様なら・・・
こんな乗り物には乗りたくないですね。
去年も書きましたが、東京の三社祭ではいくら禁止しても御輿に乗っかるのが出て止められないので、御輿を出すこと自体を神社が止めたとか・・・
その地区の伝統・・・なのでしょうが、いつの間にか変わってしまったものが伝統にされている面も多いようです。
御輿に乗っかる、みこしの屋根を叩いて音頭をとる、清めの限度を越える酒をぶっ掛ける・・・
あまり見場の好いものではありませんね。
威勢良く担ぐのは良いのですが・・・
全国的に見て、こうした御輿の実態はどんな物なのでしょうね。
かなりの重量物の御輿ですからかなりの危険も伴います。
出立ちの時の清めの酒は別として、担ぎ手にへべれけになるまで酒を飲ませる地区ってどれくらいあるのでしょう。
木本のみ貸に関しては、昔ほど喧嘩は無くなっていますが、かなりの数が酩酊状態、みこしの酔払い運転になっています。
長い間、台車に乗せてジグザグに引っ張っていた、この御輿も今年はきちんと担いで本町を巡行しました。
担ぎ手不足もあって台車に乗せていたのですが、台車に乗せると『御輿』ではなく『山車』みたいなものですね。
台車だから一杯乗っかっていたのですが、取り外して担ぐとなると、やたらと乗ることも出来なくなります。
今年は神様もほんの少しだけ楽だったかもしれません。
カメラは
センチュリー・グラフィック+トプコールS65mm
木本町全図です