LUZの熊野古道案内

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2008年 09月 22日

熊野の旅 熊野ではサンマは冬の物

 『サンマ』は『秋刀魚』と書くくらいで、代表的な秋の魚と言うことになっています。
 大きな船で沖獲りするようになってからは、まだ暑いといえる時期から出始めます。
 最初の水揚げは『北海道』です。
 根室だ厚岸だといった地の果て蝦夷地の果てからこんな所まで送られてきます。
 もう少しすると水揚げ場所が、三陸・花巻・石巻などになり、秋が深まる頃には銚子・勝浦などになるというように『黒潮』に逆らって南下してきます。
 自転車で走るより早いくらいの『黒潮』にどうして逆らって移動するのかと思いますね。
 多くの魚は黒潮に乗って南から北に向かうようですからね。
 
 こんな風に回遊する『さんま』ですから、本来は地方によって獲れはじめが違います。
 つまり、昔の流通体系の下なら、住む場所によって『サンマ』と言う言葉から受ける季節感が違っていたのでしょう。
 この熊野沖まで下りてきて、『サンマ』・・・『サイレ』が獲れるのは11月頃なのです。本格的な漁は12月・1月・2月などと真冬です。
 私が子供の頃には秋口にサンマが出ましたが、三陸などの物が『塩サンマ』になっていたのです。
 高くてさほど旨くない物でしたが、いつの間にやら、北海道からでも地元産と区別が付かないきれいな『ぶえん』(無塩)で来るようになりました。
 『サンマ寿司』『サンマ丸干し』を名物にして売り出す熊野でも、生食される『秋の味覚のサンマ』は北海道産が殆どです。
 北海道産・三陸産を熊野産に偽装することはありません。
 あまりにも違います。
 北の物は油が乗って肩の変が盛り上がった見るからにたくましい物です。
 紀州・熊野・遊木産となると、かわいそうなほどやつれて、体脂肪も世の奥様がうらやむほど低くなっています。

 このように長旅でやつれたサンマが獲れ、そのまま焼いても下手すると煙も出ないマンション用みたいなものであまり美味しくないので、丸干しにして食べたり、寿司にしたり、普通の寿司では飽き足らず『なれ寿司』にまでして美味しく食べた物と思われます。

 かくして、熊野では『サンマ』はやっぱり『さいれ』であり、『秋刀魚』ではなかったのです。
 いまでは、秋が近づくとスーパーに『新物・北海道産・さんま』と札が上がって、脂の乗った美味しい秋刀魚が並びます。
 そして、熊野でも『サンマ』は秋の味覚になっています。
 それとともに『さいれ』と呼ぶ人も居なくなりました。
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 カメラは イコフレックスIIa・Restyled

熊野市広域地図です

by je2luz | 2008-09-22 12:19 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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