LUZの熊野古道案内

je2luz.exblog.jp
ブログトップ
2008年 06月 29日

熊野の旅 昭和・旬の味

 牛の話を一休み・・・

 牛が居た頃の農村では、牛を口にすることは少なかったですね。
 各地に屠殺場があったと言っても、今のように冷凍・冷蔵の施設がありませんから、食肉を流通させるのが難しかったのです。
 それより何より、田舎がうんと貧しかったからです。
 田舎と都会の所得の差は昔も今同様ありました。それに、基準になる日本の所得水準自体がうんと低かったのです。
 その中でも貧しい山間部の百姓の口には『牛』は口に入りませんでした。
 『牛を飼っているから食べない』と言うのではなかったのですがねえ・・・

 そんな田舎で日常食べられていたのは、煮物や酢の物と言う田舎料理でした。
 今頃になって、キュウリが採れだすと、『胡瓜モミ』が毎日のように出てきたものです。
 その『胡瓜モミ』には今のように緑で細いキュウリより。『半白』と言われる、お尻の方が白いキュウリの方が適しています。
 キュウリが『サラダ風』にして食べられることが多くなったのは、昭和も後期に入ってからですね。
d0045383_10552352.jpg

 この組み合わせがこの時期の旬のものでしょうかね。
 下のキュウリが『半白キュウリ』です。
 少し若いので白さもまださほど目立ちませんが、もう少し大きくなるともっと白く見えてきます。
 このキュウリは緑の細い物より瓜に近い感じで、胡瓜モミや糠味噌漬けに向いています。
 昔はもっと大きくして、半分に割り種を取り、皮もむいてから塩もみにしました。その方が食いでがありますからね。
 三日も長く成らせて置けば巨大化しますしね。

 上の段が『生節』です。
 今頃はカツオの旬ですからね。
 カツオも足の速い魚ですから、昔はこのように蒸しあげて流通しました。
 肉厚で大きいですから、さすがの紀州もこいつは『丸干し』にはしませんでしたね。
 今ではこれを真空パックした物がほとんどになっていますが、この辺では蒸しあげたそのままが出てきます。
 これのほうが身が絞まってしまわないので、酢の物の具とか、ご飯にまぶすとかするには適しています。
 ただ・・・何しろ蒸しただけですから、この形になっても足が早いです。真空パックのように開封しなければ何ヶ月も・・・と言うわけには行きません。 買ったその日から数日の運命なのです。
 冷蔵庫に入れれば一週間やそこいらは大丈夫ですが、段々硬くなって、『生節の生節らしさ』が無くなって来ます。
 この状態の時には包丁はいりません。手でポコンと割って後は好みの大きさに指先でほぐします。
 
 胡瓜モミには『シビの角切り』も使われます。
 こうした『胡瓜モミ』は『キュウリナマス』ですね。
 秋から春までは大根の季節なので『大根ナマス』ですが。大根の季節が終わった時には具合良くキュウリが出てくるって寸法です。
 酢の物なので時間ももつし、簡単に作れるし・・・少量でおかずになるし・・・日頃の食卓にも、田植え、建前、葬式・・・とにかくやたらと出てきたものです。
 今と違い、ものすごく酸っぱい酢の物でしたね。
 それが、昔の田舎風料理でしたね。
 『砂糖の配給』なんてあった事はもう忘れられているでしょうけどね。『甘酢』なんて贅沢な物だったのです。

この周辺です

by je2luz | 2008-06-29 11:28 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://je2luz.exblog.jp/tb/8186159
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 熊野の旅 にわとり      熊野の旅 牛 5 >>