LUZの熊野古道案内

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2008年 03月 29日

熊野の旅 熊野詣と王子社

 昨日取り上げた本の著者の岡本実先生も書かれていますが、熊野詣とは熊野三山に詣でて、『はい、お参りしました』と言うものではありません。その道すがら、自然に触れ、難行苦行を乗り越えて始めて達成される物です。
 そんなことを言っても、今の観光を目的とした熊野古道歩きの人には分かってもらえないでしょうね。
 ガイドブックに載っているものにしか価値を見出さず、ひたすらそれを追いかける・・・悲しい、乏しい旅をしているのですが・・・
 と、言っても、昔の人とて、長い道のりを漠然とそんな抽象的な物を求めて歩けといっても無理だったのでしょうね。
 天皇、上皇なんて方々も沢山おいでになっているようですが、今以上にうっそうと茂った山道を何日も何日も歩くのですから、しんどいし退屈もしたことでしょう。
 良くしたもので、京、浪速からの参詣道には『99王子』と言われる、沢山の熊野大社の分社が作られ、道々、そこに参拝しながら進むようにしてあったようです。そうしておけば、『次は○○王子だ・・・』と、目標があり、又、そこに参拝することで、道中、雑念にまみれていた信仰心もよみがえったことでしょう。
 この王子は、和歌山県側の熊野古道に沿って整備されたようです。そして、その王子もこれが本物だ、そっちは便乗品で偽物だ・・・などと言う議論もあるようです。いかにも、郷土学者とかの言いそうなことです。
 まさに、『そんなの関係ねえ!』だと思うのですがねえ。
 『熊野詣』とは、そもそも、そんなことにこだわらないで、大きな自然に抱かれて、『心を洗う』そして、『来世に期待する』ことだったと思うのですがねえ・・・

 この『王子』はこちら側、三重県側の『伊勢道』にもあるようです。
 この辺で一番立ち寄りよいのは、『木本神社』でしょうね。
 木本神社には『若一王子権現』が祭られています。
 新田の元宮には『王子権現元宮』があるそうです。
 元宮は別として、『木本神社』がこの場所に遷座したのが、ちょうど400年前、1608年のことです。
 つまり、関が原の後で、熊野詣が下火になる頃の話です。
 まあ、そんな細かいことは抜きにして、そうした意味では、松本峠を越えて木本に入ったのなら、『木本神社』に立ち寄って・・・これが、伊勢道での熊野詣ではスタンダードな作法なのかもしれません。
 極楽寺さんには『若一王子権現別当寺』と言うものもあるようですし、『花の窟』は『岩屋王子』だそうです。
 つまり・・・どうやら・・・『王子だらけ』のようです。
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この周辺です

by je2luz | 2008-03-29 11:52 | 熊野 | Trackback | Comments(2)
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Commented by jon at 2008-04-04 00:14 x
熊野大社とは出雲國一之宮の旧熊野坐神社の事を指し、新宮、那智、本宮のことは言いません。
Commented by je2luz at 2008-04-04 21:37
 神道に詳しい方はそう言いますね。
 そちらが正しいようですが、熊野三山?をまとめて大社と呼び方もあるように思います。

 熊野信仰と言うもの自体、神道とは離れた存在であったような気もしますし、神道で言う所のご神体が「くまののおおかみ」でも「すさのおのみこと」でも参拝する庶民には関係ないものであったようです。
 古代の純粋な信仰と仏教と神道が適当にごちゃ混ぜになって、何となくありがたく思えたのが針術だと私は思っています。
 
 人為的に・・・かなり意図的に作り出された神道が日本国民から完全に遊離してしまったのは必然だと思います。
 信仰なんてのはそんな物ではないと思いますから・・・


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