いよいよ三月・弥生・・・春本番です。
気温はまだまだ低めですが、陽の光と空の方はすっかり春です。
陽だまりで日向ぼっこするには、少し陽の光が強くなりすぎの感じもします。
空の方は、温かみをますとともに、『春霞』が出てきました。
これからしばらくは、『春霞』やら『黄砂』やら分からない、薄ぼんやりした天気が多くなります。
都会に居ると、あまり遠くを見ることがありません、高いビルの展望台にでも登った時以外は何キロも先、何十キロも先を見通すことはほとんど無いものです。
田舎に来ると、視界が開けると言うこともありますが、割りと近景で見るものも少ないので、『遠くの景色』を眺めることが多くなります。
熊野古道歩きになど来られると、杉や桧の林の中を歩いてゆき、峠に近づいて木々の間に遠景が望めるようになるとその景色に見入るものです。
峠になると、その向こうに又々連なる山々や、陽の光に輝く海と水平線が望めます。
そうなると、定番は、カメラを取り出して・・・今は携帯電話でしょうか・・・景色を撮って、景色を背景に記念初心を一枚・・・と言うものです。
そんな時、情緒のある『春霞』が大敵になります。
カメラには人間の目のような補正機能はありません。
単純に物理的な陰影や色合いの違いを写し取るだけです。
目ではそこそこ違いが見分けられても、カメラにとっては一緒くたになってしまうことが多いのです。
今はデジタルカメラがほとんどですから、背景が白く飛んでしまっているのもその場で気が付くと思います。
人間の目よりずっと鮮明に写し取る特殊なフィルムなんてのも存在します。『赤外線写真』はそれになります。
ただ、最早国産の赤外フィルムはないし、コダックなどのものを使えば撮れますが、『赤外線写真』はやはり特殊な表現になってしまいます。
これから、しばらくはカメラを肩に熊野古道散策にこられる方をがっかりさせる日が多いかもしれません。
被写体が、紀州連山だったり、広々とした海だったりしますから・・・
肉眼でも、20Km先の新宮が見えない日があります。
上天気、快晴に見える日でも・・・春風が吹くと海から霞がたなびいて陸に上がってきます。
塩をたっぷり含んだ霞です。
オゾンたっぷりと言った感じです。
写真には向かなくても、肉眼と体には最適な『熊野古道歩きのシーズン』に入って来ました。
峠の風が心地よい位になるのももうすぐです。
この周辺です