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LUZの熊野古道案内

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2007年 12月 12日

熊野の旅 木本の間取り 中の間 

 木本の本町筋の家の典型的な間取りは、表の方から三部屋順に並んだものです。
 左右に窓の無い建物で三つの部屋を並べると、真ん中の部屋には窓も何にもありません。
 光も通らなければ風も通りません。
 蒸し暑い夏を越す知恵として、間仕切りのふすまを『よしず障子』に替えたりしていました。
 竹を細く加工したものや、細い葦の茎を使った風通しの良い建具です。。
 風は良く通るのですが、およそプライバシーなんて無いのと同然でした。
 こうした間取りで二世帯とか三世帯が住んでいたわけです。それでも、子供は沢山出来ていますが・・・
 細長い屋敷を生かして、裏庭に離れを建てて分かれたりしましたが、これに使用人まで居たわけですから大変だったでしょうね。
 この、真ん中の部屋、『中の間』には、元来、通り抜けの土間との間に建具は入っていませんでした。真っ暗で吹きっさらしと言うわけです。
 通路の上辺りには、明かりを取るために、『天窓』が開けられていました。
 この天窓は『だんなし』と言われるお金持ちの家では、屋根は瓦屋根で、ガラスが入ってきてからはガラスが入った天窓が使われていました。『貧乏たれ』と言われる、庶民の家では屋根は『杉皮葺き』で天窓は穴が開いているだけでした。
 この天窓には蓋がついていて、紐を引っ張って開け閉めして居ました。
 その昔になると、煙突のない『おくどさん』も多かったですから、煙抜きの穴でもあった訳です。
d0045383_1055425.jpg

 天窓を付けると言う事は、屋根まで障害物があってはだめと言うことですから、天井を張ることも出来ません。
 通路との間に建具は無い・・・その通路部分には天井もない、外に面した建具は木製で風は通り放題・・・なのです。
 この『中の間』には『箱火鉢』・・・時代劇の親分や銭形平次などが座っている所にある、あの長方形の火鉢が必ず座っていました。
 この火鉢の場所は、その家の『あるじ』の席でした。
 表側の『店の間』の監視やら、下働きの人の監視。さらには来客の接待までそこでやっていたのです。
 南国木本でも、真冬になるとこの部屋は寒いものです。
 昼間はこの火鉢に炭火を入れて手だけを温めます。まあ、昼間はここの気温ならこれでも何とか凍えませんが、夜になると隙間風が応えます。
 掘りごたつを作る習慣が無いので、夜になってもせいぜい『置炬燵』だけです。
 私も、高校時代、こうした家で祖母と三年間過ごしました。
 この部屋に、当時としては珍しいテレビを据えていましたから、いくら寒くても我慢してこの部屋に居なくてはならなかったのです。
 だから、この形の部屋が残されている家がほとんど無くなったのは理解できます。
 見物に来る人には良いでしょうが、生活するものには、使い道の無い部屋なのです。
 写真の家も、改造するかどうか、悩んでおられるようです。
 カメラは センチュリー・グラフィック+スーパートプコール65mm
この範囲です

by je2luz | 2007-12-12 11:14 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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