LUZの熊野古道案内

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2007年 12月 06日

熊野の旅 改造済み されど・・・

 ここ『奥川邸』も保存状態が良いとは言え、生活していた建物なので、時代とともに手入れもされる代わりに改造もされて来ています。
 昨日も取り上げた『便所』も当初作られた時とは明らかに違う便器に変わっています。
d0045383_12205270.jpg

 周りの雰囲気を壊さないように考えられた改造ですが、この便器は水洗になっています。右の板戸の中は今様の様式便器です。
 この建物の頃には浄化槽と言うものも無く、昔式の『朝顔』が座っていたものと思われます。
 いまでは見かけることがなくなりましたが、昔の『朝顔』にはすごく凝った物が多かったものです。
 形はもちろん、絵付けをした今では考えられないほど立派な物が座っている便所が多かったものです。
 ここの建物の格から言うと結構な物が座っていた可能性が強いのですが・・・
 博物館・資料館的にはそういうものが残っている方が嬉しいものですが、お城なんかと違い、『古民家』と言うものにはその中での生活があったのですから、全てが残ると言うわけには行かないのです。
 家と言うものは、人が住まなくなって、雨戸を閉めて放置すると、中でほこりを立てる人が居なくてもホコリがたまり、くもの巣さえ張ってきます。換気もされないので日本の夏の湿気が床下から上がって家中にたまり、畳を腐らせ、短期間に家を壊して行きます。まるで、映画の廃屋のセットのようになります。
 それだけに、保存の状態が良い所には生活があるということなのです。
 山間部などで残る百年、いや二百年の風雪に耐えてきたしっかりした田舎屋でさえ、無人・無住になると、ほんの10年ほどで崩れ落ちてくるものなのです。

 家は人が作り、人を作り、人とともに生きているものです。だから、人との縁が切れると家は死んでゆきます。
 自由に生活のあった空間まで見学できる建物もそう多くありません。この奥川邸などはそういう意味では貴重な存在だと思います。
 日本のほら居の生活が伺える近代建築です。
 カメラは センチュリー・グラフィック+スーパートプコール65mm
この範囲です

by je2luz | 2007-12-06 12:17 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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