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LUZの熊野古道案内

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2007年 12月 01日

熊野の旅 古い台所

 ずっと取り上げてきた奥川邸の台所に代表されるように、古い家の台所は今のキッチンなどと呼ばれるものとは趣が違います。
 古い形が残されていると言うことはなんだか嬉しい気分になりますが、この台所を任されていた主婦の方は大変だったと思います。
 炊事作業の動線がものすごく長く、下が土間なので冬場はいくら南国だといっても朝晩は寒い場所です。
 今はおくどさんを観光目的でどんどん焚いていますが、昔々を除いて、近代では薪の手配も大変だから一日中焚くようなこともなかったはずです。
 通りがかりにちょいと煙突に手をかざして温まるなんて出来なくなっていたはずです。
 おまけに、昔の家の台所はおおむね暗いものです。
 家の構造上、軒がかぶさってきて家全体が暗いのですが、台所は北向きに構えることが多いのでなおさら暗いのです。さらには、防犯?のために格子がはまっていることも多いのです。
d0045383_1121055.jpg

 昔の家の台所に建ったことのある人ならお分かりかと思いますが、この奥川邸の台所はこれでも明るい方です。
 この格子のはまった窓の前は広い中庭になっているからです。小さな家の坪庭ではなく、日の当たる中庭です。町場では珍しいものです。
 しかし、流し作業中に外に目をやっても空が見えるわけでもなし・・・
 今の主婦なら気が詰まってしまうものです。

 『戦後強くなったのは靴下と女』などといわれますが、強くなったはずの女性が今では「自律神経失調症」だとか「うつ」だとかの人がやたらと多いようです。
 明るいキッチン、軽減された家事労働、息抜きのテレビ・・・それなのに・・・
 こうしてみると、日本の女性が本当に強かったのは古い時代だったのかもしれません。外に対してではなく、内側の強さですが・・・
 おばあさんたちの話でも、『海にはまって死のうかしらん・・・と思うたことは何回もあった』などと出てきましたから、不満を持つ前に『つらかった』のでしょうね。

この範囲です

by je2luz | 2007-12-01 11:38 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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