LUZの熊野古道案内

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2007年 11月 14日

熊野の旅 昭和は遠くなりにけり 3

 今日も昨日の続きです。
 おくどさんで一日中火を焚くということはいつも家の中に火気があるということです。
 昔の町場は、家が建て込んでいて、万が一にも火事が出ようものなら、町中を焼き尽くす恐れがありました。
 百姓さんの家とその辺が違います。
 町屋で家が狭くても、『おくどさん』の座る場所は土間にして、周りからはなるべく隔離してありました。
 ここ、奥川邸の不思議な所は、『おくどさん』の焚き口側に板間の延長部分が張り出してきていることです。
 何時の時代にこうしたのか分かりませんが、かなり古いのは確かです。
 隙間が3尺も無い状態ですから、防火面で言うとかなり恐ろしい構造です。
 据えられている『おくどさん』は焚き口に蓋のある、ロストル付きの近代的?なものですから、大丈夫と思って突き出してきたのでしょうかね。
 焚き口は狭くて、田舎風の薪をくべるのは少し難しいものですし、どんどん火を焚くと当然入り口の蓋も開けっ放しになります。
 杉や桧の枝を薪にしたものは、残った湿気などで、パチンとよくはぜます。火の粉と言うより、火の付いた炭が飛び出します。
 十分火事を起こすに十分な火種です。
 だから、『おくどさん』の周りは土間にして何も置かなかったわけです。
d0045383_10435041.jpg

 ご覧ください。
 鉄瓶ではなく、その周りの板です。
 ポツポツとへっこんで居るのは全部焼け焦げです。
 板が厚いので穴が開いてしまうまでは行っていませんが、深さ数ミリと言うものもあります。板の厚さで燃え上がるのが防げたというような感じです。毎日の濡れ雑巾での吹き掃除も欠かせなかったでしょうね。
 忙しく人が一杯行き来する土間に据えられていたからこの程度で済んだともいえるでしょうね。
 下男、下女はうんと叱られたことでしょうが、これだけ多いと、叱る効果もあまり無かったかもしれません。
 この部分を取り壊さなかったのが本当に不思議な物です。
 カメラは センチュリー・グラフィック+スーパートプコール65mm
この範囲です

by je2luz | 2007-11-14 10:53 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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