LUZの熊野古道案内

je2luz.exblog.jp
ブログトップ
2007年 11月 09日

熊野の旅 熊野古道と災害

 今年の7月にあった集中豪雨で熊野古道の中で南牟婁郡御浜町内の『横垣峠』が地割れのために通行止めになっていました。
 この11月10日からその一部が通行可能になるようです。しかし、まだ峠の方が通行止めのようです。
 この峠は全線踏破を目指すようなマニアしか歩かない区間なのでほとんどの人には関係ない『熊野古道』かと思います。
 熊野古道で残されているのは当然のように山の中だけです。平地は何百年もの時代の変化とともに改修、改良されて姿を変えてしまっています。
 江戸時代に整備された街道でさえ、近代では手狭でほとんど残っていないくらいですから、それ以前に開かれた田舎道は当然です。
 山の中の道と言うものは、人の手による改造はあまりされませんが、人の行き来が途絶えるとともに、自然の方が元の形に戻そうと頑張り続けます。
 石畳や階段を作った所は木の根っこが入り込み下から押し上げて崩して行きます。その力が勝つと石は簡単に外れてしまいます。これは、人が通り管理されている大きなお寺や神社の境内でさえ起きていることです。
 土のままのところは雨のたびに削られ、坂道部分は歩くことも出来なくなってきますし、人が通る時には踏み潰されたり、刈り払われたりして育たなかった草が生え、樹木が生えて育ってしまいます。 場所によっては熊野古道のルートさえ分からなくなっていた所もあります。
 今はルートのほぼ確定され、歩けるようになっていますが、少し前には事実上通行不能のルートがたくさんあったものです。
 確実に維持されていたのは、山で働く人が山林管理のために使った『そま道』です。
 今は、世界遺産登録を目指して全線でルートの確定と補修がなされました。
 しかし、その周辺の山林が荒れ始めています。人工林も放置され、密集した真っ暗な林になり山腹崩壊の危険が高まっています。天然林に見える雑木林も、本来は人に手によって管理された薪炭用の林だったのです。放置され最初は威勢が良かったのですが、段々元気が無くなって来ています。
 さらには、本物の猟師が居なくなり、遊猟ハンターも老齢化が進んできたので、この周辺でも野生動物がやたらと出没するようになっています。
 山と言うものは地学的に言えば必ず崩れるのもです。人手によって山林が維持されて崩壊も防いできたのですが、その機能が止まっています。
 土木的に道だけを補修しても先はそんなに長くないでしょうね。
 雨の日には立ち入らない方が良い区間が少しずつ増えるかもしれません。
 それに、知床ほどではないですが、峠を越える時には腰に鐘をぶら下げたりラジオを掛けたりしなくてはならなくなるかもしれません。
 およそ『幽玄』だとか『神々とのふれあい』とは程遠いものになりますね。
 もっとも、熊野古道歩きのグループを見ていると、ガイドブックと先導者の説明や仲間のおしゃべりに夢中で、そんなものとは元々縁遠いようには思えますが・・・
d0045383_1050483.jpg

この範囲です

by je2luz | 2007-11-09 10:55 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://je2luz.exblog.jp/tb/6533739
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]


<< 熊野の旅 日本の世界遺産群      熊野の旅 秋の日 >>