LUZの熊野古道案内

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2007年 11月 03日

熊野の旅 冬が近い?

 もう11月です。北海道などからは雪の便りが入り始めていますね。
 この辺ではまだまだ暖かく、ようやく秋といった感じです。
 しかし、暖かい所で暮らせば、暖かい冬が寒く感じるようになってしまうようです。
 真冬の夜中でも零下になることのほとんど無い海岸沿いでも、ものすごく冷え込むように感じるらしく、皆さんストーブをがんがん焚いているようです。昼間でも止めることなく焚く家が多いようで、一生懸命地球ごと暖めにかかっているようです。こんな南方の人たちも、寒冷地が寒くなくなるように自前のお金で石油を焚いていますから、もう少しお待ちいただければ北国の方も暖かい冬が迎えられると思います。そういう意味では、もう10年も余ってストーブも焚かない、クーラーも使わない私は北国も方に冷たいのかもしれませんね。
 熊野では冬になると色んな名物が出揃ってきます。
 普通の漁場ですと、『サンマ』は『秋の味覚』ですが、熊野では『冬の味覚』なのです。
 南下してくるサンマがこの沖に来るのが11月末頃から春までだからです。
 今では冷凍するので年中『サンマ寿司』や『サンマ丸干し』がありますが、本来はこの地元のサンマが揚がる時が作れる時だったのです。
 みかんも主力の温州は冬のものだったのです。これも少々狂ってきて7月頃から収穫できるようになっていますね。
 そして、『めはり寿司』『高菜漬け』も冬に『高菜』を育てます。
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 高菜漬けの産地の熊野市山間部では、そろそろ霜が降りる頃です。
 朝晩冷える山間部では、この写真のようにはすくすくと育ちません。もう少し縮れて育ちます。
 その分生育は遅れますが、肉厚になり、辛味や味も濃くなります。とうぜん、おいしい高菜漬けになるということです。
 高菜は生長すると葉の長さが30cmほどにもなります。そうなったら、大きな葉を欠きとって漬物にします。採った葉をさっと湯通しして食べるとぴりりと辛くてこれもおいしいものです。
 下から欠きとりながら育てて行き、軸がうんと長くなり、葉っぱが小さくなったり花が咲いてきたりしたら収穫を終わります。きちんと育てば一本から15枚も20枚も収穫できるでしょうね。
 一枚一枚欠きとって収穫しますから、本格的に栽培すると腰の痛い収穫作業でしょうね。私の場合は高菜が植わっている面積は一坪ほどですから、痛いところまでは行きませんがね。
 昔の『高菜寿司』はこの大きな葉をほとんど一枚使って握りました。大きな茶碗で一杯分どころか二杯分くらいを包み込んだのです。大きなものにかぶりつくので、『目を見張る』と言うことから『目張り寿司』と呼ぶようになったという説があるのです。いまでは、葉っぱの先っちょの柔らかな所だけで上品に握ります。
 筋っぽい根元の方まで使って握ると、噛み切れなくて結構食べにくいものです。
 山仕事の弁当などにしたそうですから、塩辛い漬物に更に醤油をかけて握り、おかず無しで食べられるようにしたのです。少しお金のある人は、サンマの丸干しを1/4匹くらいを持って行ったそうです。
 つまり・・・元々は『名物』なんてものではなく、まさに、貧乏人が生き延びるために食べていたものなのです。心して食べてくださいとは言いませんが、醤油だけをまぶした『目張り寿司』だけを持って山で働いた、熊野のそま人達の質素な生活を偲んでみてください。
 三山参りも、物見遊山の旅ではなかったのですしね。
熊野三山と熊野の地図へ   ←←←←をクリックすると案内図が開きます。

by je2luz | 2007-11-03 12:37 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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