安全祈願が終わると、白装束の男衆が6人ですか・・・神社を出て岩山の裏手から登りにかかります。
この山は高校時代に登ったことがあります。きちんとした道と言うわけではなかったと思いますが、急斜面でも若いときならすっと登れる物です。
ご神体の天辺にでたら、そこでもお払いを受け、崖っぷちからロープを投げ落とします。
事実上、垂直に立った岩ですからロープは引っかからずに下まで落ちてきます。
そのロープに藁で作って菊の花などで飾りをつけた『お綱』の端をくくりつけ引っ張りあげます。
きつく打ち込んだ縄では無いのですが、垂直に70mほど引き上げるので6人の男衆が必要なのでしょう。
その『お綱』が上でくくりつけられて固定されてからが、参拝者の出番です。
神社敷地の林を抜けると国道42号線です。それをとりあえず通行止めにして綱を七里御浜に引っ張り出します。
一枚目の写真の背景の岩の天辺から下ろした妻を中央左にそびえるコンクリート柱の頭に掛けるのですが、クレーンとかを使わず、綱を引っ張ってうまく載せるのです。
今は無粋なコンクリート柱になっていますが、かつては松の巨木の枝に掛けていたのです。作法は同じですが、出来上がってからはなんとも情けない形になってしまいました。これも、松くい虫の被害です。代わりに育てている松はとてもお綱を掛けるほどのものにはなっていません。巨木になる前に又松くい虫で枯れるのでしょうね。
二枚目の写真は、まっすぐ浜に出た『お綱』を参拝者一同で引っ張っている所です。
とりあえずテンションを掛けて空中に浮かせてしまい、国道の通行止めを解除します。
あまり重くない綱なので堤防の上で竹ざおを使って支えておけばトラックやバスでも通過できる高さを確保できます。
このように大勢が行列する姿は、この祭りが何時頃始まったのか知りませんが、大昔の光景と変わらないのでしょうね。遠くから見れば着ているものも良くわかりませんしね。
ところで大勢と言ってもこの程度なのです。
平日ですから子供が集まってくることも無いですからね。
日本最古の神社で世界遺産にもなろうかと言う有名な神社の大きな神事でも、観光客で埋まることはありません。偶然行き当たった熊野古道歩きの人もほんのちらほらです。
祭りにつき物の露天商も並んでいません。 地味と言えば地味な物です。
『祭り』ではなく『神事』なのですから、この方が良いのかもしれません。
---続くーーー
この範囲です