LUZの熊野古道案内

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2007年 06月 07日

熊野の旅 熊野の味 ナマス

 「あつものに懲りてなますを吹く」と言うことわざがあるようですが、この「なます」がこの辺の「ナマス」と同じかどうか分かりません。
 この辺りでは、何があってもお膳には『ナマス』が付いていました。今でも、法事の折詰めなどでは、小さなカップに入った『ナマス』が入っていることがあります。
 『大根ナマス』『キュウリナマス』・・・季節によって違いますが、この酢の物がつき物でしたね。
 葬式、法事、結婚式・・・はては選挙まで、人が集まる時にはお膳を作りました。当然のように白い割烹着を着た近所のおばさんが集まってきて、何もかも手作りでした。
 そんな時には、どっさりのナマスが必要だったのです。
 今の業者さんの折りに入ってくる『ナマス』はやたら甘い物が多いですが、昔の田舎のおばさんが作るのはもっと酸っぱかったですね。
 この辺の『ナマス』は精進料理にしなくてはならないとき以外は、『しび』か『生節』が入っていました。
 今でこそ売り場では『まぐろ』と書いてありますが、元々この辺では『しび』と呼んでいました。
 人が集まった時につき物なのが『しびの刺身』でした。
 今のように上品なさおで買うのではなく、皮まで付いた塊・・・『ブロック』で買ったのです。今でも、ここのスーパーではこのブロックも出てきます。
 こんな形で買うと、刺身に向く良い所の他に皮のそばの筋っぽいところも当然あります。
 この部分の少しましなところが『ナマス』の具になり、その下が『炊き飯』の具になったのです。
 さしずめ、今からのシーズンだと『キュウリナマス』ですね。
 半白キュウリを大きく育てて・・・女の人の腕くらいのやつの種を取ったものを使いました。ここまで大きくすると食感は『瓜』のようですね。それを揉んで『しび』のさいころにきったのを混ぜて、酢で合えたのです。
 私はこの半白キュウリをずっと作っていますが、葉っぱの影で大きくなりすぎた、少し黄色くなったのを自転車の籠に入れて街を走ると、懐かしがってもらってくれるお年寄りが居ます。
 『こんなんほうが、キュウリもみにはええんさー』と言って・・・
 近年では人が寄る時には仕出し弁当や折り詰めが出されるようになってきて、こうした田舎のおばちゃんが『ナマス』も作ることがなくなってきています。
 いや・・・昭和が遠くなると、だんだん、田舎のおばちゃんが居なくなって、街の嫁さんが増えているのかも・・・
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by je2luz | 2007-06-07 11:20 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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