ずっと東京の話題できましたが、いよいよ、池袋から夜行バスに乗り我が家に帰ります。
古くは・・・
ふるさとの なまりなつかし 停車場の ・・・
と詠まれ
又
どこか故郷の 香りを乗せて ・・・・
と歌われたのは上野駅でした。
日本の駅はほとんどが通過型ホームを持つ駅です。列車運行上はその方がはるかに合理的なものです。
郊外から入ってくる私鉄の終点は行き止まりのものが作られましたが、首都圏の国鉄では終着駅=始発駅でも行き止まり駅は上野の番号の大きなホームくらいしか作りませんでしたね。
ヨーロッパでは名だたる大きな駅は行き止まり式で、映画の『終着駅』ではないですが、非常に情緒のあるものです。ロンドン・ビクトリア駅などは、寝台列車でドーバー海峡を渡りヨーロッパ大陸に渡るとき、櫛形に並んだホームに自分の乗る列車が待っている・・・
『さあ、乗るぞ!出発だ!』と言う気持ちが湧いてきました。
上野駅でも改札を通って列車の後部から順番に車両を眺めながら目的の車両まで・・・
旅の情緒を盛り上げる舞台装置としては良い物でした。
西から東京に入る場合は夜行の時代でも途中の品川駅で降りて山手線乗換えとか・・・とたんに東京の普通の駅の雰囲気しか味わえませんでしたね。
集団就職でも西からは品川駅止めの列車だったようです。
まあ、上野駅まで行かなくても東京駅でさえが夜行列車の発車するホームではその時間に合わせて列車の行き先の方言が飛び交ったものです。思いがけず懐かしい顔に出合ったり・・・
それが、今では昼間の新幹線か写真のようなバス停からの長距離バスでの東京発着です。
東京を後にするバスも宵の口からカーテンを閉め切って・・・
寝台列車の頃は通路に立って離れてゆく景色を眺めたものでしたが今ではそれも無く・・・
旅の情緒なんてありませんね。
こうしてみると、今の旅は便利ですが、それしか知らない今の旅人はかわいそうですね。
ここからバスに乗り、朝になると熊野です。
我が家の前を通るのにおろしてくれないのでバス停から300mほど引返さなくては成りません。
カメラ資材が重かった・・・
カメラは
ツァイス・コンタフレックスIV+プロテッサー35mm
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