リゾート法の夢が霧散した話をしましたが、その後には、『紀南交流拠点』などというものが浮上し、やはりゴルフ場と隣接するスポーツ施設や観光農園や色んな形が見え隠れしていましたが、どれをとっても名古屋から210Km、大阪から190Kmの場所に客を引っ張れるような代物ではありません。全ての施設が赤字見え見えのものでした。
この計画なども国内最大のスポーツ用品メーカーの系列会社や東京の最大手の花屋さんとの共同体が『コンサル料』を幾度と無くせしめてゆくだけでした。
東京から熊野までの往復を鉄道でするとなると約3万円です。それに宿泊をすると・・・
機関の方も旨く乗り継いでも五時間ほどです。
グアムやセブ島と同じか高く遠いくらいになります。飛行機が怖くない人はこちらには来ないでしょう。
私の娘でも海外へは年に数回遊びに行っていましたが、『熊野は高いし遠いから・・・』と、二年に一回ほどしかかえって来ませんでした。
こんな状況ですが、この金山パイロットを開発する計画は性懲りも無く振興しています。
近年は赤字で来園者も激減していた『ミカン狩り』ですが、その観光農園の部分にもブルドーザーが入り押しつぶしています。
オリンピックは『参加することに意義あり』だそうですが、こうした事業は『作ることに意義あり』らしいです。
こうした事業の積み重ねが・・・いや、こうした事業を立派にやり遂げたことが、夕張を生み出すのです。
地元負担が軽減され返済まで国が面倒見ると言ってもやはり財政は圧迫します。自分の金で無いから構わないと言う無責任体質がこうしたものを立案、実行します。そして、作る方の補助はあってもそれ以降の経営・維持には補助もありません。年間数百万、数千万と言う赤字が数少ない来客者につぎ込まれ、なけなしの財源を食い潰します。
第二、第三の夕張候補に挙がるほど事業はやっていなかったのですが・・・遅まきながらそちら向きに加速し始めたような気もします。
どんないいことを言おうと、浮ついたブームを当てにした観光開発では飯は食えません。お遍路道のように暖かく迎えることが熊野古道本来の姿でしょうね。