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LUZの熊野古道案内

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2006年 11月 02日

熊野の旅 番外 新聞記事で思う

 以前にも触れましたが、紀伊山地にはダムがたくさんあります。
 戦後の復興期、電力不足を解消し、工業発展のためのエネルギーを確保するために、熊野川総合開発で水力発電所がたくさん作られました。
 このダムの中で唯一つ、いつも半分くらいに水位を下げていおるダムがあります。『池原ダム』です。熊野川水系では最大のダムです。
 ここで再びこれを取り上げたのは、新聞紙上でも書かれていますように、電力会社によるダムの沈下、変形の測量結果が改ざんされもとのデータも破棄されていたと言うことです。
 ダムと言うものはその内側に大量の水を蓄えます。万一ダムが決壊すればその下流は大災害になります。
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 池原ダムの直下には池原の集落とスポーツ公園や宿泊施設まであります。集落の遠い方でも1Kmあるかどうかという距離です。これほど直下に民家のあるダムも珍しいでしょう。ダムの園丁から見るとはるか下に集落などが見えます。運動公園から見ると目の前に山のような堰堤が見えます。実に怖い光景です。
 このダムは集中豪雨のすぐ後以外は満水になっていません。水位が下がるにしても大幅に下げて半分くらいに抑えています。そのため山肌が露出して異様な光景です。このそばの『七色ダム』はいつも満水です。『計画水量が無かった・・・』と言う問題ではないような不自然な物です。
 今回の変形隠しなどそれこそ『想定の範囲』です。
 原子力発電所は勿論こうした水力発電所でも『国策』『お国のため』と言う論法でかなり無茶をやるものです。
 ダムの計画が持ち上がったとき、『ダムを建設すると流下する土石が減少し、将来七里御浜の現象を引き起こす』というレポートなど握りつぶし、御用学者の『流域の甲沿いを防止し、エネルギー供給の大役もになえる優れた企画』というレポートを採用したのが、電力会社の『電源開発株式会社』です。
 その結果が三十年も経たないうちに七里御浜の砂利は大幅に減ってきています。
 こうした会社ですから、ダムの変形や強度不足を隠すくらい朝飯前でしょう。体質がそうなのですから・・・
 万一、ダムが決壊すればほんの数分で池原は消滅でしょう。運の悪い人はたまたまここを通りかかるでしょうがこれは宝くじに当たるより率は低いでしょう。これから河口の新宮まではすげて消滅でしょうね。
 新宮までは距離があるので時間はありますが、非常警報を出しても、サイレンの意味など分かるはずも無し、広報車を廻す準備をして回っても一時間やそこらで新宮市民全員が一山越えて三輪崎側に逃げるなんて不可能でしょうね、
 こうした以前からの心配事がますます大きくなりました。
 下北山村では問題視していないのでしょうか?怖すぎて聞くことも出来ない?
 このことが杞憂に終わることを祈ります。
熊野の旅 番外 新聞記事で思う_d0045383_11182166.jpg

カメラは コダック・レチナ1A

by je2luz | 2006-11-02 11:25 | 熊野


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