LUZの熊野古道案内

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2006年 04月 10日

熊野の旅 熊野路、初夏の味

 少々気が早いですが、初夏の話です。
 昔、熊野では初夏になると出回ってくるものがありました。
 それは『生菱』です。今では真空パックしたものが年中出回っていますが、昔は初夏が出盛りのときでそれ以外のシーズンはあまりなかったものです。
 『生節』とは未完成の鰹節と言ったものです。鰹節は加熱したカツオを燻製にして干し上げたものですね。出来上がると、半透明になり木の様に硬くなるものです。硬いから包丁で削ることは不可能です。そのため、鰹節を削るために鉋(かんな)をひっくり返して箱の上に載せた『鰹節削り』と言う道具を発明し、ほとんどの家庭にあったものです。
 『生節』は加熱しただけでやわらかいままで売る物と、ほんの少し薫蒸して乾かしたものがあります。
 柔らかいものは包丁無しでバラバラとほぐせます。ほぐしたものに酢醤油などをかけてそのまま食べたり、ご飯に入れて炊き込みご飯の具にしたり、大根ナマスに入れたりしました。この『浜茹で』とか『朝茹で』と言われるものは、新鮮な獲れたてのカツオを使ってその日のうちに売ります。火を通したとはいえ、塩もしない茹で上げ物ですから全く日持ちはしません。冷蔵庫の無かった時代では、生より日持ちする・・・と、言う程度でした。食べ残したものはコンロで焙って保存しました。しかし、この柔らかい生節はこうした産地でしか食べられない味覚でした。今でもシーズンになると魚屋やスーパーに出回ります。
 もう一つはまさに未完成の鰹節状のもので、今ではこれが主流になっています。これは真空パックされるようになり、年中出回っていますね。都会でも買えるようです。どうしても見当たらない時は『ペットフード』のところにあるようです。パッケージが変わって、小さくなっていますが中身は同じはずです。ただ、小さいカツオで作ったものはおいしくないはずですが・・・
 この生節は柔らかいのと同じような食べ方になりますが包丁がいるほど硬いものもあります。手でつぶして割れるようなら包丁を使わない方がおいしく食べれます。
 鰹節と同じななのですが、干し上げていないためアミノ酸の含有量は少ないそうです。炊き込みご飯の具にするとおいしいだしは出ます。
 こちらのものは真空パックをあけなければ長くもちますからお土産にも向きます。地方発送で取り寄せも出来るものです。ぜひご賞味あれ・・・
 東京の物産展で、『あら、ネコちゃんの生節があるわ!』といわれて、『人間用ですよ』と説明したら『人間も食べられるの?』といわれましたが・・・安いものではないのですが・・・
 市内磯崎町などがこれの産地です。
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 こうした漁船で七里御浜沿いをトローリングしてつったカツオで作っていたのです。『ケンケン』と言う漁法です。左右に日本の竿をだしてトローリングするもので、大きな漁獲は望めません。

by je2luz | 2006-04-10 09:55 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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