木本海岸は七里御浜の一番下流です。
熊野川が押し出した土石が波に揺られながら長い年月をかけ、だんだん丸く小さくなりながら流れてきた砂利で出来ています。
熊野川河口からの途中で海に出てくる尾呂志川、市木川、井戸川などからは七里御浜の石になるものはほとんどありません
花崗岩、石英粗面岩などは硬いですが、波に揉まれると砂になっちゃいますからね。
この砂利の元は北山川と十津川から流れてきます。
それが戦後の「熊野川総合開発」と言う発電用ダム建設によって硫化しなくなりました。
更に、和歌山県が許可した熊野川での砂利採集によって、大幅に減少しました。
電源開発と砂利採集業者には大きな利権が発生したのですが、山間部の集落は消えるし、七里御浜などの海岸は目に見えて痩せてゆきました。
でも、建設省は因果関係を認めませんでしたね。
お役人ってそんなものです。
国民、住民より経済や利権を優先し、一度決めたらそれが正しくなっちゃいます。
原発なんかはその典型ですね。
写真は19号台風、11日17時頃の波の様子です。
かなりの高浪が押し寄せていますが、木本海岸では浜の1/3以下で収まっています。
これはこの前の海面下に「潜堤」が築かれているからです。
よくある離岸堤のようにテトラポットが海面に出ていて良さそう見えるものではなく、海面下2mくらいに沈んでいますが、効果はテトラ製のものより大きいのです。
隙間だらけのテトラは足元の砂利を止める効果が殆どないからです。
きっちり積み上げた潜堤は砂利が落ちてゆくのを食い止めるので浜が太ります。
これが完成後は波が堤防に届くことはなくなりました。
ー続くー