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LUZの熊野古道案内

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2019年 03月 19日

列島改造 1

 昔、「日本列島改造論」なんてのをぶち上げた人が居ましたね。
 日本中に高速道路を作り新幹線を引き…
 それに乗っかって日本中で鉄道計画・道路計画を中心に観光開発なども立案されました。
 新潟県などはその先頭を走り山の中まで4車線道路や高速道路が出来たそうです。
 何しろ、改造論を唱えた人は新潟三区の人でしたからね。
 信濃川河川敷が値上がりすると見込んで買い込んだ会社もあったり…

 その後には「リゾート法」なんてのが出来て、最初は宮城・三重・宮崎の三県でリゾート地を作るという国家プロジェクトが出来、すぐさま指定外の県からの突き上げで29県だったかを追加指定した「観光開発」もありました。
 その最初に指定された三重県では「サンベルトゾーン」なんて名前が付いた熊野市・尾鷲市を拠点化する計画が立案されました。
 「長期滞在型国際リゾート地」なんてたいそれたビジョンでした。
 そのときに担当したのが三重県二区選出の代議士さんだったのですが、熊野市役所での説明会では…
 「新鹿に10日ほど滞在し、天気が良ければ海水浴、天気が悪ければのんびりと読書でもし、一家で一日10万円ほどの安い滞在費で人楽しんで貰います。」と、夢のような…
 昭和62年当時です。
 物価は1.3倍くらいしか上がっていませんが…
 「夏休みを10日とって一家四人で滞在費156万円と交通機・小遣い」…
 「同じ場所でのんびりと」…
 ヨーロッパの夏のバカンスが目標だと言われました。
 フランス人はそれに近いバカンスととるとか言いますが、ドイツ人だとキャンプカーを引っ張って時間の限り走り回るようです。
 日本人は老人を除いて「走り回りたがる」方でしょう。
 説明対象は役所の課長以上と議員でした。
 課長連中は…
 「とてもじゃないが夏休みの10日で156万円の滞在費に交通費をたすほど贅沢はようせんで!」と口々に…
 私もそう思いました。
 「走り回るか、海外へ行くか…」
 その時代どころか今になっても10日間も休暇を取って家族旅行に出られる人がどれほど居るやら…
 それに、肝心の新鹿で「年間通した客が呼べるか」ですよね。
 泳げない時期だと、カンヌやニースでも退屈しますよ。

 私は新人議員でしたが、その代議士に…
 「ちょっと、日本人の感覚とずれていませんか?」と、失礼ながら疑問をぶっつけましたが…
 「日本人もすぐにそうなるから。」と言われました。
 「住む世界が随分違うんだなあ」と言う風に納得しなくてはなりませんでした。
 しかし、「リゾート法」はすぐに消し飛びましたね。
 そうして消えたはずの計画がゾンビのように生き返ったのが「里創人・熊野倶楽部」です。
 三重県は「別のものです!」と言うでしょうけどね。
 「雨竜企画」「MIZUNO」「日比谷ガーデン」なんて企業名と色んな青写真を目にしてきた人間からすると「別」じゃ無いですね。
列島改造 1_d0045383_20274305.jpg
 最近、各地で列島改造が進んでいるようです。
 それについては別に書きます。



by je2luz | 2019-03-19 04:25 | 熊野


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