LUZの熊野古道案内

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2016年 01月 30日

熊野の旅 きみがため・・・

 もうすぐ節分、そして立春
 
 「きみがため 春の野にでて 若菜摘む 我が衣でに 雪は降りつつ」

 奈良盆地より少し南ですが、この辺の山間部は同じように寒い土地です。
 私は飛鳥町小阪で育ちました。
 だから、子供の頃は春が近づくと嬉しかったものです。

 寒い最中でも川原で遊び、魚を釣ろうとしましたが、大又川の水は冷たく、中々釣れませんでした。
 しかし、春がちが付くと魚が動き出し揺れ出すのです。
 今のように「アメノウオの解禁」なんてありませんでしたが、動き出したアメノウオもたまには突き上げました。
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 陸の上ではまだまだ寒い時にでも「ふきのとう」が顔お出し、次に土筆が顔を出します。
 そして、枯れ草の下に「ヨモギ」が・・・
 これらは子供が食べて美味しい物ではありませんが、採るのが面白くて採って遊びました。
 そして、山荘の主力の「ワラビ」・・・
 「草刈り場」と言われる野山(のさん)や若木の山には良いのが生えます。
 どこが早く生えるか、どこが太くて良いのか・・・
 それはそれぞれ内緒でした。
 大きめの巾着を作って貰って集落中を駆け回りました。
 そっして、もう一段暖かくなると「ぜんまい」です。
 これは水気のある場所なんですが、太くて良いのが生えるところと、細くて惨めなのが生える場所があるのです。
 簡単なのは探ボンボ石垣ですが、本当に良いのはやっぱり山に入らないと・・・
 ゼンマイは保存が利くけど茹でて揉んで乾かさないといけないので面倒です。
 でも、保存食になるので取って帰ると家の人が後はやってくれましたね。
 初夏になって「田植え」になると、このゼンマイが出て来ました。

 その次は「ゴンパチ」(いたどり)です。
 「いたどり」なんて名前は大きくなってから知ったのです。
 食料にするのは「ゴンパチ」でなくては美味しそうに聞こえません。
 
 この「ゴンパチ」・・・
 一時期は「蓚酸が含まれて発がん性がある」なんて言われました。
 そんな事言う連中が「サッカリン」「AF2」「赤色何号」なんてのを私達に食わせていたんですよね。
 私達の頃の子供はその「有害なゴンパチ」の皮を剥いで生でむしゃむしゃと・・・
 美味しいおやつでしたが、誰も癌で死ぬ子は居ませんでしたよ。

 食用にはさっと湯がいて水にさらすのです。
 でも、その蓚酸があるので下手すると酸っぱくなります。
 それを防ぐのに私は「重炭酸ナトリウム・重曹」を使います。
 そうすれば中和出来るし、少し茹ですぎてもベトベトに溶けると言うことが無くなります。
 湯がいたものを水にさらして毎日水を替えながらしばらく食べられましたが、今だとさらしたら密閉容器に入れて冷蔵保存すると結構保ちます。
 「ゴンパチ」は味噌汁・煮物になります。
 見場は良くないですが、平天とか竹輪などと似れば立派なおかずです。
 他所ではあまり食べなかったようですが、近年は「山菜料理」なんて高級部って出す所も出て来たようです。
 この辺では、これも、「お客に出す物じゃ無い」と思われているようです。
 立派な郷土食です。

 他には「ヨメナ」「タラの芽」「甘草」なんてのがどこでも手に入ります。
 「柿の新芽」なんてのも天麩羅に出来るし・・・
 「杉」「桧」は美味しくなかったです。
 サツキの葉っぱの「虫の瘤」・・・
 「柳の虫」「蜂の子」・・・秋なら「イナゴ」
 およそなんでも食べました。
 自前でおやつを確保するのが遊びと実利を兼ねていましたからね。
 溝では「ごじな・かわにな」を獲って塩ゆでに・・・
 一山越えて磯にでて、嫁皿貝やら巻き貝を捕ってきて塩ゆでに・・・
 ついでに「うつぼ」まで釣ってきたり・・・

 これが熊野です。
 熊野で育てばサバイバル術は身につきますが「野蛮人」になります。
 でも、南朝の人や落人も入って来ていますから、少しは「文化人」の血も入っているようです。


    

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by je2luz | 2016-01-30 04:35 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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