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LUZの熊野古道案内

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2015年 07月 11日

熊野の旅 木本港海岸整備事業 (潜堤)

 「木本港海岸整備事業」とは、たまに触れてきた「潜堤工事」のことです。
 この七里御浜は北の端1Km程が、旧運輸省の港湾の中になります。
 その先の砂利浜は同じように見えて、旧建設省の普通海岸です。
 獅子岩から磯崎町の突き出した岬、猪ノ鼻を結んだ内側は「木本港」なのです。
 一度も港らしい計画も無く、これからも無いのですが、形では四日市なども同じなんですね。

 この、木本海岸は昔から高波や津波との戦いに明け暮れていたのです。
 江戸時代の奥熊野代官所の記録でも、何度となく。「海荒れて〇〇戸流失」「時化、〇〇人流される」なんてのが出てくるようです。
 そして、近代に入ると石垣を積んで高波に備えてきましたが、それでも、止めることが出来ず、伊勢湾台風でも人命までは及びませんでしたが、家屋は破壊されました。
 それまでに継ぎ足し継ぎ足しして嵩上げしてきた堤防を、海抜15mと言う全国屈指の高さにしたのが「旧堤防」だったのです。
 しかし、三重県が考えた「伊勢湾台風級」という高波の基準が松阪港あたりの計測値だったようで、不十分だったのです。
 この事実も、私が新堤防着手の時に住民運動を起こして説明会を開いて貰ったりする過程で出て来た事実です。
 つまり・・・
 私は素直なので・・・
 「伊勢湾台風の木本海岸の波高など測ったはずがない・・・」という疑問をぶっつけた結果・・・
 「波高計測はされていません。基準は松阪港です。」という答えが出たのです。
 誰が考えても伊勢湾に入ってから松阪港の高波と熊野灘に直接面した木本海岸では大きな違いがあるはずなのです。
 現に、日本一とも言われた海抜15mの木本堤防も伊勢湾台風以降も波が越えていたのです。
 そんな最中、快晴の下で、台湾坊主の余波の波が西郷川の導流堤を破戒し、国道42号線の橋を崩落させ、既に着工していた「新堤防」を波が越えたのです。

 このことは充分予測されていたので、新堤防着工時に、海岸に面した親地町から井戸町馬留までの全戸から印鑑も貰って、「旧堤防と同じ基準では、高さも不十分で生命財産を守れない」と言う要望書を提出してありました。
 この有印の要望書が無ければ「想定外の事態」で済ませられる所でしたが、住民の予想が的中したので、県と国は対策に立ち上がってくれました。
 運輸省に陳情に行った時、技監の人が「あんな良い浜が駄目になっているんですか・・・じゃあ、潜堤しかないのかなあ・・・」と、つぶやいたのです。
 それを聞き逃さず、「潜堤やって貰えませんか?」と頼み込みましたが・・・
 「高いからなあ・・・ それに外海でやったこと無いし・・・」 と、及び腰になったのです・・・
 その若い技官が。「ひとつ、水槽実験でもやってみましょう」という、もの凄い即断をしてくれたのです。
 そして、「水槽実験」へ・・・
 可能というデータが出たけど、下手すると100億になると言う予想も出ました。

 それでも、詳細設計へ進み、着工してくれたのです。
 この水槽実験の実績は常滑沖の中部国際空港の建設にも役だったようです。
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 潜堤は高波には効果抜群なのです。
 それに、きっちり積み上げた堤防を海中に構築するので、砂利が深みに落ち込むのも防ぎ「養浜作用」もあるのです。
 よそで良く見られる、テトラポッドを積み上げる工法は、波は切るけど浜も痩せるというと言う、感心しない工法なのです。
 でも、もの凄く安上がりで、住民には「やりましたよ」とアピール出来るので、日本中でやられています。
d0045383_22301613.jpg

 こんな田舎の小さな町。木本町が守って貰えたのは、まさに、幸運に恵まれたからです。
 たった一回の陳情・・・
 その時にここの代議士田村さんが大臣だった・・・
 聞き手の技官の人が東大の学生当時に獅子岩の前の浜で一日遊んで、いたくこの浜を気に入ってくれていたこと・・・
 そして、つぶやいた「潜堤」の一言を聞き逃さず食らいついたこと・・・
 全国でもやっていなかったこんな事業が一発で決まるなんて・・・
 神仏のご加護????
 でも、その陳情団で説明役していたのが、当時では若造の私だったのですし、神様仏様は無信心な私には付いてくれなかったでしょう。
 でも、ともあれ、木本は高波からは50年100年は守られるでしょう。

 残念ながら、「津波」には効果がありません。
 浜がかなり太って来ていますから、普段の東南海地震なら堤防もあるし大丈夫なのですけどね。
 千年に一回の分は「神仏のご加護」に期待します。
 日本書紀にもでてくる、「神々の郷」ですからね。

 三重県がこれの完成を住民に知らせることと、どれだけ理解されているかを調べるために、パンフレットを作り、アンケートも取りに掛かりました。
 でも・・・
 この「潜堤」は全く見えていないので、「知る人ぞ知る」という存在です。
 私も町内会長で、新出町に用紙を配布しましたが、婆ちゃん連中からは返事は来ないでしょう。
 浜に面して生活している家では、台風の波が堤防にぶち当たることも無くなったのを実感している人もおおいです。
 しかし、山側に入ると、元々、危険な状態の時でも高枕で寝ている人なので分からないでしょう。
 せめて、我が町内では20%程の回答が欲しいです。

   
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by je2luz | 2015-07-11 04:52 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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