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2014年 11月 29日

熊野の旅 木本堤防 色んな事

 木本の堤防は随分古くから構築されたようです。
 元は木本海岸にも松原があったのです。
 私が子供の頃から高校時代位まではその名残がありました。
 先日載せた堤防工事の写真にも松の木が写っています。
 木本隧道の辺りから木本を撮った写真にも海岸には松の木があります。
 昭和30年代後半までは何本か残されていたようです。
 戦前に撮られたこの裏辺りの写真にも当然松は写っていました。
 同じように、井戸町の松原にも松原があったのでしょうね。

 私が記憶している木本堤防はこちら側は石垣でした。
 向こう側も基礎部分は石垣でした。
 継ぎ接ぎして高さを稼ぐ時に、こちら側の石組みはセメントでまかれ見えなくなりました。
 新しい堤防は、前と後にコンクリートの壁を作り、その間を砂利や土で埋め、天場をコンクリートで蓋をして「一町上がり」が多いのです。
 普通に並が当たる程度では強度はあるようですが、年月が経つとアンコにした砂利などがさがったり、一寸した隙間から徐々に流れ出てしまったりして、空洞化してきます。
 何しろ圧搾などしないままで蓋しちゃいますからね。
 こうした工事現場は木本の堤防工事や有馬海岸の堤防工事現場でずっと見て居ました。
 そんなに真面目な工事でも無かったですよ。
 天場など厚みが足りないのがごろごろしているはずです。

 こうした工法で作られた堤防が多いので、木本堤防の延長の西郷川導流堤の崩落も中野砂利が減って居たのが原因でしたし、先頃の台風12号などの志原川、市木川、尾呂志川などの河口で堤防が崩落したのも同じ原因です。
 一か所割れたり隙間が出来たらアンコが流れ出て簡単に壁面も崩落します。
 実にもろい堤防が日本中に並んで居ます。

 木本の新堤防の後側の構築では、木本町時代から築き上げた石組み堤防が姿を現しました。
 計画書ではこんな頑丈な石組みは無いと思われていたので、そっくり古い堤防を取り払い、後の壁を作ったら、従前通り土を詰める「ソイルフル工法」にするはずでした。
 コンクリートを取り払って出て来たのが写真のような頑丈な石組みでしたから、これをそのまま残して芯にしてコンクリートで巻き建てました。
 重量も遙かに大きいし、「横の国道の振動で下がったり、空洞になる心配は全くありません。
 計画変更の相談を受けた時も、近年の工法の弱さを知っているだけに二つ返事でOKを出しました。
 住民は「安全」を最優先しますからね。
 空き家が増えて、災害でも死者が出るなんて無くなってきては居ますけど、どうせやるなら・・・
 日本のこうした堤防の中では、最強レベルに仕上がったと思います。
 これを知るのも、県土木と工事業者以外ではほんの数名でしょう。
 道路から見えていたのですが、そんなのって誰も見ないし記憶に残らないのです。

 今は浜へのアクセス用階段の最後の二基が作られています。
 これから、落下防止兼簡易波止めの壁が作られ、国道側に作られるスロープの一基が出来るでしょう。
 もう一基のスロープと壁の仕上げなどは来年度です。

 余談みたいですが・・・
 この堤防の壁が色気無いから「木片を埋めて定期的に交換すれば木の国熊野らしくて良いでしょう」なんて学生さんグループがよそから来てアイデアを出してくれたようです。
 そんな遊び感覚で済まないのが、防災の現実なのです。
 下手するとそうした提言に役所が乗りかねません。
 これだって、十万二十万の話では無いですからね。
 現実を見ない人からは味気ないかも知れませんが、堤防を見ながら走る観光客がどれだけ居ます?
 ちょこっと飾った堤防があるからって観光客が増えますか?

 堤防は生命財産を守ることが第一義なんです。
 これは現実に堤防を預かり管理する県土木もそう思っているのですが、違う部署から横やりが入ったりします。
 熊野市役所から変なアイディアが出て、実際困っています。
 私達は単なる住民・・・
 前市長・前々市長さんはこの堤防に関しては住民代表の私に任せてくれたのですけどねえ。
 そして、この堤防に命が掛かっているのは、堤防沿いに済んでいる人だけでは無く、本町山側も記念通りの方も、木本の人全員なのです。
 気軽な遊びはやめて欲しいですね。
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by je2luz | 2014-11-29 04:27 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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