LUZの熊野古道案内

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2014年 02月 18日

熊野の旅 熊野の嫁の条件

 朝ドラの「ごちそうさん」じゃないですが、昔は嫁に行くと、色々覚えなくてはならないことが多かった物です。 おなじ地方でも。家それぞれやることは違うし・・・
 大して格式がある訳でも無いのに姑だとかがとかく言うし・・・
 本人だって、嫁に入ってから覚えた物なのにねえ・・・
 運動部で、先輩にいじめられるクラブは、それを「伝統」と称して継続するのとおなじ図式ですね。
 おなじ地方でも大変なのに、違う所に嫁に行けば尚更だったでしょう。

 この熊野に嫁に来ると、熊野なりに覚えなくてはならないことがありました。
 まずは、その家の味噌汁からですが、そんなどこにでもあることでは無く、熊野らしい物もあるのです。

 まずは、「さいれの寿司」の作り方です。
 まずは「すしな」作りです。
 油の落ちた適当な大きさの「さいれ」を手に入れてきて、「背開き」にして、骨を取り、小骨もきれいに取ります。
 寒い最中ですが、「さいれ」が傷まないように、暖房など入れられません。
 水も使うので手が真っ赤になります。
 出来たら適度に塩をして一晩おきます。
 次に、「酢」で締めるのですが、この使う酢も家によって違います。
 無茶苦茶酢が利いて「さいれ」が白くなっちゃう家とか、酢が利いて無くて日持ちしない家とか・・・
 「米酢」「穀物酢」の他に「柚」「ポン酢」など果実酢を混ぜる家・・・
 まさに、その家の味・・・姑の味(お袋では無い)・・・なのです。

 さいれの他に「キス」「いわし」「うるめ」「あじ」・・・年中、色んな旬の寿司を作るのでそれも覚えなくては・・・
 海苔巻き・昆布巻き・あげのすし・・・
 寒天も・・・
 山間部なら「高菜漬け」も・・・
 田舎味噌の仕込みも・・・
 よそでは食べない「ごんぱち」のさらし方とか・・・
 行事の他にこれ位は出来なくっちゃあ一人前の「熊野の嫁」には成れません。
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 なんて言っていたのも、昭和の中頃までですね。
 段々これが亡くなってきました。
 最近では「熊野の嫁の条件」も随分敷居が低くなって・・・
 「餅拾い」のオバヤン(おばちゃん)と一緒に出掛けるようになったら、近所では普通の嫁さんとして扱って貰えます。
 最後まで残って居る「餅ほり文化」に馴染んだら上等なんです。
 どうせみんな「さいれの寿司」も「高菜の漬け物」も作らない(作れない)のですからね。
 手本すら見せられない姑ばっかりになって来ました。
 その分、えばる材料も亡くなって、嫁との立場が逆転し始めたようです。
 台所から「伝統」「郷土料理」が消えちゃったのです。
 消えちゃった物を宣伝しなくてはならないのも悲しい話です。
 「高菜の寿司」でも、使う高菜がスーパーで買った高知産ではねえ・・・

 そうそう・・・
 「さいれの寿司」の「すしな」も出来上がったのが日持ちする真空パック商品で並んで居ます。
 「無塩のさいれ」を買う人のほとんどが、焼くために買ってるようです。
 「買ってる」のでは無く「こうてく」んですけどね。
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by je2luz | 2014-02-18 06:10 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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