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LUZの熊野古道案内

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2005年 10月 12日

熊野の旅 熊野路の秋 木本祭りと昔の木本

 木本祭りの出し物は、朝一番に南の端の『新出町』の「だんじり」が出発し、まっすぐ神社に向かわず遠回りをして、『井筒町』の」子供御輿」。『栄町』の「よいや」、『新田』の「元宮たいこ」、『親地町』の『ロッポ』を順に後に従えて神社に入ります。狭い町内を半周でほぼ4時間もかかります。
 神社に入って、お昼になりますが、その間に『新出町』が「獅子舞い」を奉納します。他の町内は特に行事はありません。
 午後になると神社直属の御輿が出番になります。
 この行列の出発が午後一時頃、『新出町』が先導して。次に御輿が付く形で新出町の『稲荷さん』に向かいます。その道中500mくらいだと思いますが、先頭の新出町が着くのに二時間、最後の新田が着くのは四時間後です。なんと時速200mほどの速度です。
 昔はこの間に『きれいどころ』の道中踊りが賑やかさを与えていたものですが、とうの昔に芸者集などは消えています。
 なぜ時間がかかるか?それはあちこちにある『宿所』と言われる振る舞い所に一時停止するからです。そこでは当然のように振舞い酒がふんだんにあります。この宿所は午前中に通る道筋にもありますから、お昼ごろにも随分お酒が入るのですが、午後のこの500mの間に今年で5箇所の宿所があります。多い時は7箇所あったものです。
 この宿所での休憩が時間のかかる原因なのです。酒飲みには良いのでしょうが、子供と下戸には退屈な時間です。
 交通渋滞と同じで一つが滞るとその影響は倍倍ゲームになるので7グループほどが抜ける時間差が2時間にもなるのです。
 昔の木本町の構成の関係で木本神社と稲荷さんを結ぶ祭りコースが出来たようです。
 面白いのは午前中に新出町が巡航して迎えに行く町には出し物はあるのですが、午後の御輿が通る木本町の本町通りには宿所以外の出し物が無いのです。コースには1丁目、二丁目。三丁目、関船町、布袋町と5町内あるのですが。全て何もありません。
 今の子供は余り祭りを楽しみにしませんが、昔はこの何も無い町内の子はよその町内の出し物の綱を引くしかなかったのです。前に書きましたように、その頃は町内の小学生が1500人も居て綱の隙間も無かったのです。
 この町内で育った人は『祭りは見るもの』と言う感覚の人が多いですね、それも当然でしょう。

 御輿が一旦入る新出町の稲荷さんで新出町はお役目御免で解散するのも面白いですね。神社までお御輿、御神体を迎えに行くのに、帰りは御自由に・・・ですからね。
 もっとも、付き合っていたのでは真夜中になりますから困りますが、各町内もここでの休憩のあとは自分の町に引き上げてしまいます。
 何とも、神様も片道は大歓迎、帰りは見送りなしと言う不思議なお祭りです。稲荷さんに御神体を移しておくわけではないのですが・・・
熊野の旅 熊野路の秋 木本祭りと昔の木本_d0045383_12594510.jpg

     新出町・稲荷さん
カメラは フォクトレンダー・ビトー2

by je2luz | 2005-10-12 13:01 | 熊野


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