一昨年の台風12号は紀伊半島南部をずたずたにする物でした。
十津川水系、北山川水系を合わせる熊野川は大暴れしました。
ダムの放水時期の不適切さが取りざたされましたが、いつもの通り、事実上不問にされました。
この洪水では熊野川河口部の堆積土砂が一気に流失して、河口が見たことも無い幅で開きました。
大量の土砂が海に押し出されたと言うことです。
しかし、その先での供給源が激減した感じです。
熊野川水系にダムが造られて半世紀になって居ます。
ダムは水だけでは無く土石もせき止めています。
水は発電や放水で流下しますが、土石は止まったままになります。
川からの土石の流下が砂利浜や砂浜を養うのです。
補充が無ければ浜は痩せて当たり前なのです。
日本海溝に落ちて行く土石はあっても、海溝から浮かんでくる土石はありませんからね。
この12号台風の強力な波の力で、七里御浜の様子もあちこちで変わりました。
七里御浜の砂利の動きの最下流、熊野市井戸町・木本町周辺では一時的に浜が太っています。
井戸川河口は配水を図るため、「カルバート」と言われる箱状の構築物が作られて、波打ち際まで川をトンネルで通しています。
砂利による河口閉塞を防いでいるのです。
これが出来るまでは井戸川があふれるのは当たり前だったのです。
このカルバートの先端が海に突き出していたり、完全に浜の中にあったりするほど浜は痩せたり太ったりしています。
今は完全に浜の座っている状態ですね。
痩せた時に比べるとこのトンネル二個分は違いますね。
以外と皆さんこんな事は見ていないようです。
浜が痩せて行くという一般概念だけで話をする向きが多いです。
でも、長い目でみれがそれが正しいのです。
こうして太るのは一時的ですからね。
熊野市周辺地図です