LUZの熊野古道案内

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2005年 09月 19日

熊野の旅 熊野の自然 杉・霧

 本州以南の日本人のイメージの中では、山の中の街道=杉林・・・海沿いの街道=松林・・・人里近くの街道=竹林・・・となっているようです。
 時代劇でもそういう設定でとられていることが多いです。
 事実、東海道も箱根などは杉木立、海岸沿いは防風林を兼ねた松原です。日光街道も杉並木・・・
 ここ熊野の熊野古道も杉林の中が多いです。特に、現代は特殊な山奥や海岸線や崖の部分を除いて全部人工林になっていますから、余計に杉木立の中が多いのです。
 熊野市の熊野古道は海岸線を通るものが多いので、育林に適さないので雑木山のままというところもあります。
 学者に言わせると日本の場合ほとんどのところは林生の最終形は針葉樹林、それも南方では杉林になると言います。その典型がかつての屋久島だったわけです。

 屋久島ほど雨が降るわけでも無いですが、雨の多さでは日本一と言われる尾鷲・熊野地方です。それに、目の前を暖かい黒潮が流れ、背後に1000mを越す紀伊山地を背負うと言う屋久島並みの地形を持つこのあたりは、同じようにすぐに霧が発生します。
 雨が多く、霧が多い・・・これは樹木の中でも杉が大好きな気候です。そして、材質の良い杉が生まれると言うことです。
 ただ、熊野市は少し気温が高く、年輪の幅が少し大きくなります。それでも、海岸線から一つ山を越すとそこは別世界、夏でも布団が要る、冬は毎晩零下まで落ちるところです。そこでは材質も緻密になりよい木が育ちます。前に述べた『流れ谷』と呼ばれるところです。さらに北になる吉野はもっと緻密なものが育ちますが、灯り遜色の無い流れ谷の木は原木市場で吉野・桜井の業者によって競り落とされ『吉野杉』として出荷されているようです。同じ山塊で採れる物ですから区別も難しいですね。

 中辺路などは山も深く、樹齢の高い老木の場所が多いのですが、熊野・尾鷲などは里山ばかりなので、手入れが行き届き、伐採も定期的に行われてきた林業の山ですから、巨木の林ではありません。その林業の生産場に対する配慮不足がマスコミで話題になっているような問題を引き起こすのです。私も、林業家としてはこんな無責任な世界遺産指定は反対ですからね。たまたま私の家は流れ谷方面ばかりで『熊野古道』関連の山が無かっただけです。

 熊野は夏でもしょっちゅう山には霧が掛かります。気象条件では鬼ヶ城など海岸までせり出した山沿いに海からの水蒸気が急上昇し入道雲を形成してゆくのが見えるときがあります。その水蒸気の中に入ると真っ白で前が見えず、押し流されるような気流も感じます。当然、水蒸気が帯電してきますから異様な感じで危険を感じます。
 運が良いと言うか悪いと言うか巻き込まれたことがあります。嫌なものでした。
 しかし、この霧が山を育てているわけです
 したの写真では海岸から一枚目の低い山だけが見えてその後ろの山塊は全て霧の中です。取り立てて天気の悪い日ではなく、湿度が少し高いと言うだけでこうなります。この霧が写真二枚目の『大馬神社』の杉の巨木を育てたのです。
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カメラは

カメラは +コシナ19mm~ズーム

by je2luz | 2005-09-19 13:12 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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