春になると海から霞が陸にたなびき、浜では地引が引かれた物です。
地引き網はそこに居る魚をごっそり巻き取ってきますが、底引き漁のように速度がある訳では無く、のんびり下物ですから、賢い魚は随分逃げ出したのかと思います。
鯛・はまち・鯖・キスなどの他に、鰯も捕れました。
そもそも、ハマチや鯖なんてのは鰯を追いかけて居るのですからね。
七里御浜のような浜辺では、ハマチなどに追いかけられた鰯が行き場を失って陸に上がってくることもあります。
たくさんは拾えませんがおかず程度は拾えることもあるのです。
今は海を眺めながら波打ち際に座ることもないし、魚も減っているのでどうなのでしょう?
私が一人で波打ち際に座っていたら、「世をはかなんで…」などと騒ぎになるかも知れません。
こうした海岸ではたまに水に入っちゃう人が出ますからね。
春になってくると、「鰯」が店頭に並びます。
節分に鰯がつきものになっている地方が多いのは鰯の漁期の関係もあるのかも知れません。
鰯は結構おいしい魚なんですが、「足が速い」(傷みの早い)魚です。
濁って元気の無い人の目を、「鰯の腐ったような目」と言いましたが、すぐに目の光りも無く、鱗の無い肌が剥けて汚くなります。
つまり、おいしい鰯は「とれとれ」じゃないといけなのです。
今はスーパーでも連日のように新鮮な鰯が並んでいます。
今年の鰯は少し大きめです。
「鰯の寿司」には良さそうですが、「唐揚げ」には少し大きいですね。
東京のように大きな真鰯を焼いて食べる習慣はあまりないです。
そもそも、鰯はあまり大きくなると脂がのりすぎて、背骨のそばなどおいしくないです。
最近はそんな大きな鰯も並ぶようになってきましたね。
東京でそんなのを食べて慣らされてきた人が買うのでしょうか?
東京では「あじの唐揚げ」もでかいし…
それだって、おいしいのは「豆鰺」の時なんです。
安くておいしくて…
サンマが終わる頃には、こうした鰯や鰺が捕れるのです。
そして、キスとカマスの季節に…
大衆魚が大衆魚では無くなってきていますけどねえ…
熊野市周辺地図です