LUZの熊野古道案内

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2005年 09月 10日

熊野の旅 熊野古道関連事業 6

 熊野市には昔からの名勝として『鬼ヶ城』と共に『獅子岩』があります。
 これは国道のそばにあり、いいことには国道のそばの旧道の部分を使った展望台から見るのが一番良いという皆に見てもらえるものです。おまけに、標準レンズでドンぴしゃり画面に納まると言うものです。誰がとっても『獅子岩』を撮ったのがわかるし、なぜ獅子岩なのかも分かります。 ここはこうした立地条件から、なんの設備もいらずお金の掛からない優等生です。その代わり、歩き回らないと言うのでお金の落ちない場所です。
 この獅子岩は鬼ヶ城同様砂岩が浸食されたまたま狛犬のような形になったものです。近づくと細かい砂が固まったものだと言うのがよく分かります。
 海の底から顔を出し、波に削られ、風に削られて出来たものですし、柔らかい砂岩ですから、今も風化は進んでいます。風化の始まっていない黒っぽい部分はさほどでもないのですが、黄色っぽい部分は、少しずつ新しい表面が出てくるので苔も微生物もついていないのです。
 写真で見るように胴体部分も大きな侵食が進んでいますが、複雑な顎の部分はあの重い岩が重力に逆らって突き出しているものです。特に下あごは上下から浸食されます。
 この下あごは私が知っているだけで2回崩落しています。落ちてきた岩は大きなものでした。当たれば即死なんてものではありません。人力で動くようなものではありませんでした。
 その結果、下あごが少し小さくなってしまいましたが、展望台から見ると今でも『獅子』の形は保っています。
 この形が維持できないことはっきりしていることなので、一度、対策使用では無いか・・・と動いてみたことがあります。
 石の風化を止めることは樹脂加工などで可能ですが、この砂岩のような色の薄いものの色合いと風合いを変えずに加工することはかなり難しいものらしいです。
 更に、この獅子岩は『特別天然記念物』です。当時の所轄官庁の文部省に問い合わせると、『天然記念物指定とは自然を守るためですから、風化が進むならそれに任せ、落ちるものは落としてしまうのが筋です。』という当然と言えば当然の答えが返ってきました。『文化財』とは違うのですからね。
 最近、保存に関しての動きが再燃しているようです。そもそも、これが『天然記念物』であることが不思議なのですが・・・国立公園指定とかドサクサでやったようです。その指定は見直したほうがいいような気もします。解除したからと言って開発して宅地になったり、遊園地になったりはしませんからね。むしろ、砂利の減少で再び磯に戻るか海面上昇で海に戻るかの方が現実味があります。
 土砂ではありませんから、今年、来年と言う期限では無いですが、そのうち残った下あごも牛力に耐え切れず欠けてゆくのでしょうね。下あごが無ければただの岩です。
 お金にならない名勝ですが、作り物で無い自然の面白さですから、現状保護はしても良いのではないかと思います。
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カメラは コダック・メダリスト1 エクター100mm

by je2luz | 2005-09-10 12:30 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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