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LUZの熊野古道案内

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2012年 11月 21日

熊野の旅 大又川の石はどこへ?

 昨日書いた「焼き石カイロ」の石は大又川にごろごろしている石です。
 きれいに角が取れて居ますが、平たい物が多いですね。
 大又川は「矢の川峠」とかから流れ出し、川らしくなるのは、今の国道42号線が大又トンネルを抜けてこの川と出合う辺りからです。
 それより上流は「河原」なんて無い谷川状態なのです。
 そんな川なのに、石ころは角が取れて丸くなるのです。
 下が岩盤の所が多いし、洪水の時には激流になるので、もまれて丸くなるとは言え、ものすごく早く丸くなっちゃいます。
 山の中や山で見かける石はごつごつ角が立っているのですけどね。

 この石ころ…
 柔らかい石ではありません。
 削岩機などには厳しい硬さの「紀州御影」です。
 この石は硬いのですが、磨耗には弱いようです。
 石英分とかの成分、結晶が荒いのも原因かもしれませんが、こすり合わせればすぐに減って、砂が出来てきます。
 だから、大又川は源流の方の大又でも川遊びに向いているのです。

 同じ熊野川水系の支流の北山川上流の下北山村などでは川の石がとんがっていて、川遊びを裸足ですると足が痛いのです。
 那智黒石の産地、神川でも、その那智黒の石ころが角だらけで歩きにくいです。
 大又川の上流から流れ出す石は、紀州御影で色も白っぽくて優しい姿なのです。
 太古に熊野川が生まれて以来、昭和30年ごろにダムが作られるまで、この石ころは流されて新宮の河口にたどり着いていたのです。
 新宮の河口で吐き出された石は、黒潮の流れに押され、こすれあいながら、どんどん小さくなって、ここ木本海岸に来るのです。
 七里御浜には十津川とその支流。北山川とその支流の石ころが来るのです。
 その水系は紀伊山地の南斜面の水で、その水が斜面を崩して運び出した石ころなんです。

 こうした成り立ちなので、七里御浜には色んな石が混在します。
 真っ黒な那智黒石、灰色の石、褐色の物、模様のある物、真っ白な物…
 なのに、大又川から出る筈の紀州御影の石ころはほとんどありません。
 探し回るとまれにそこそこ大きな物が見つかる程度です。
 なぜ???
 どうやら、山から出て数キロで丸くなっちゃうほどですから、長旅の間に「石ころ」ではなく、「砂」になっちゃうようです。
 同じ石の系統の山から流れ出る、大泊の宮川の河口にもこの石ころは無いのです。
 見事に「砂」になっちゃっています。
 源流から6Kmほどなんですけどね。
 新鹿の里川、湊川も同様ですね。

 と言うことで、七里御浜では大又川にごろごろしている石の末裔は居ないのです。
 写真は、昔、小阪の河原で拾ってきた大又川の石ころです。
 まだ、石の採取がうるさくなかった時代は、栗石とか砂は河原で拾ってくる物…だったのです。
d0045383_8574682.jpg


    
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-11-21 09:04 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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