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LUZの熊野古道案内

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2012年 11月 17日

熊野の旅 メンテナンス

 木本海岸の高潮対策は陸上の堤防、抜薬15mと海中に構築した潜堤で行っています。
 かつて、陸上では海岸に面した家々では海に向かった石垣を作っていました。
 堤防も低く、潜堤など思いもつかず、ここに人が住み始めて以来、幾度と無く家を壊され流されたからです。
 その家々の石垣も今は残している所は数軒だけです。
 私は石垣を残してあります。
 わざわざ金をかけて自分の家を危険のさらすなんてしません。
 それと言うのも、もう少し堤防が低かった時の「伊勢湾台風」で我が家の裏、今の国道部分に建っていた木造の借家と作業小屋が高波で壊れて流れるのをこの目で見たからです。
 そして、今の新堤防の工事中にもいつも書くように、伊豆沖まで進んだ「台湾坊主」の波が、この堤防三箇所で越えたからです。

 自然の力と言う物は予想を遥かに超えるものです。
 ただ…
 こうしたことの記録もほとんど残っていません。
 経験もしたことの無い人が、「新堤防があるから波など越えんじゃろう!」と簡単に言います。
 実に困った物です。
 救われるのは、こうした実体験を元に交渉してきた、海岸線を管轄する三重県土木が聞く耳を持ってくれる事です。

 この海が「運輸省所轄」だった頃の霞ヶ関の技官が聞く耳を持って、「潜堤」を採択してくれたことも今の土木の「聞く耳」の元になっているでしょう。
 こんな田舎で「潜堤を作る」ってことはそれだけ大変だったのです。
 
 この潜堤とて、所詮は人間が作ったものです。
 丁寧にブロックを組み合わせながら沈めて、さばけにくいようにはしてありますが、相手は外洋・熊野灘ですからね。
 ほぼ完成に近づいたときに、「現状調査」と「定期的点検・補修」を申し入れました。
 なにしろ、陸上からは影も形も見えない代物ですからね。

 ここの潜堤を作る時に、全国で始めての外洋対策の潜堤と言うことで、効果や耐久性についての水槽実験が行われ、その可能性が立証されたことが、常滑沖とかこの木本海岸、そして、その後の潜堤工事の基礎になっているようです。
 残念なのは、この潜堤というものの効果や、こんな田舎町を守ってくれた運輸省・県土木に対する評価や感謝の気持ちがここに無いことです。
 まさに、「今の時代の風潮なのでしょうね。
 
 自然に対する「畏敬の念」「感謝」などもなくなってきたのですから当然の流れかもしれません。
 私は自然の力には勝てないと思っています。
 ただ、今の技術で出来る限り…ベストを尽くす必要があると思っています。
 木本海岸でも、先人たちはその当時の最善を尽くしてきていますから…
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熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-11-17 10:59 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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