紀和町のこの祭りは観光とか物産振興だとかよりは町民の娯楽的な性格が強いようにみうけられっます。
かつては町役場の職員が動員されていたのでしょう、
今では紀和町出身の市職員限定などではなく一般職員も働いています。
祭りイベントとしては成功している部類だと思いますが…
外部的な人間ですが多少は紀和町でも顔を知っている人も居ます。
普通の挨拶もありますが、数人の人に言われたのが…
「熊野市と合併してええことは何も無かった」
「熊野市は何もしてくれん」
と言うことです。
たしかに、合併して6年ほどですか、過疎も高齢化も止まりません。
でも、紀和町関連では「紀和ふるさと公社」「丸山千枚田」「トロッコ列車」などをはじめ、イベントまで色んな補助金が入っています。
人口割で言えば旧熊野市地域よりは遥かに多くなっているはずなのですが…
合併前の完全な過疎地としての独立自治体のようには細かい部分には目が届いていないでしょうね。
こうした嘆きは昭和の大合併で村々が消えた時にも一杯聞かれましたね。
行政的には「村・町」と「市」では大きく違いますが、住民生活では郵便の差出人の住所を変えるくらいしか変化は無いですからね。
そして、住民代表も減って声も役所に届きにくくなります。
今の紀和町では市会議員も一人しか居ません。
この嘆きは平成の大合併で大きな市に飲み込まれた全国の小さな村や町で聞かれていると思います。
飲み込んだ側もそれなりに気を使っているのでしょうが、遠く離れた地区で声も聞こえにくくなれば…
それによるコスト削減を狙った国の方針ですから、一時的なものは別にして、良くなる道理は無いのです。
そんな中で、紀和町は頑張っている方でしょう。
「火祭り」でもこの「ふるさとまつり」でも、紀和出身の人がそこそこ顔を出しているようです。
住民の福利厚生…その位置づけで良いのではないでしょうか?
やっぱりここでも一番の呼び物は「もちまき」でした。
「もちほり文化」は健在ですからね。
まだ、イベントの出し物が続いている間に…
「あんな歌、はようやめて餅ほればええのに…」
などと言う声があちこちで起きる始末です。
かく左様にこの辺の人にとっては「もちほり」は楽しみなのです。
だけど…
餅が大好きでもちを使った料理があるわけでもありません。
他所より少し違う食べ方…
『餅のお茶漬け』と言うのがあります。
焼いた餅を熱々の番茶に漬けて食べるのです。
ほんの少し塩を入れただけの単純な物です。
家によってはご飯を加えるところもあります。
何しろ単純ですから、簡単に出来ます。
でも、「茶粥」同様「お茶」な美味くなければなりません。
「売っている番茶」ではなく、この辺の「山間部で採れる番茶」でなければおいしく仕上がりません。
あっさりしているので、餅が一杯食べられます。
この、おいしい郷土料理…
食べさせる所は無いようです。
「熱々の茶粥」に漬けてもおいしいんですけどね。
餅も少し焦げ気味にしたほうが…
そして、切り餅ではなく丸餅で…
この地方の食い物って、こんな式の物ばかりで、料理として出せるものはありませんね。
と言うより…
「上品にしないと出せない」と言う田舎者の固定概念が邪魔をするんでしょう。
そのまんまで食べさせれば良いはずですね。
ただ…
高い銭は取れませんけど…
昔から、水飲み百姓が食べて来た物ばかりなのですからね。
熊野市周辺地図です