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LUZの熊野古道案内

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2012年 09月 10日

熊野の旅 丸山千枚田 残す理由

 紀和町丸山の千枚田は農地法で言うなら「水田」であって、放置するのは仕方ないけど、転用は勝手には出来ない土地なんです。
 でも、水田としての価値はほぼゼロですね。
 水資源とか肥料の効率から言うと圃場整備した今流の農地より上でしょう。
 水の一滴も無駄にしない順送りの水利ですし、当然、水に解けて流れる養分も下へ下へと送られてゆきます。
 しかし、作業効率は問題外の話になります。
 牛でも入れない田が多くあるし、今の田植え機だとかハーベスタなんてどうしようもないです。
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 こうした棚田は、農地としての保全は意味がほとんど無いでしょう。
 残す理由は、「文化財」としての価値を認めるかどうかにかかります。
 この、丸山千枚田も消えかけていたのですが、北川正恭さんが三重県知事時代にこれを気に入って、休耕田・廃耕田になっていた棚田を大々的に復旧させたのです。
 オーナー制度もそうした県知事の肝いりもあって、県の職員さんがたくさんオーナーになられましたね。
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 当時、紀和町は南牟婁郡の独立した自治体でした。
 超過疎地の山の中腹で消えかけていた田圃と集落が甦ったのです。
 「本当に甦ったのか?」といわれると、疑問どころか否定するしかないですね。
 採算合わないから放置した物を、無理やり田圃に戻したって、構造は変わらないのですから、飯など食えるはずは無いのです。

 ここのイベントとかは、「文化財保護」と言う意味合いですね。
 すなおに、「文化財保護」とは言えないので、観光だ…地域振興だ…と言わないとならないのがお役所のシステムですね。
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 「日本棚田百選」なんてのもあるようです。
 丸山千枚田も選ばれています。
 でも、まともな棚田は100箇所以上あるってことです。
 そんなに珍しくないとも言える訳です。

 新鹿海岸は「日本の渚百選」に入って居ますし、七里御浜は。「日本の白砂青松百選」「21世紀に残したい日本の自然百選」「日本の渚百選」「日本の名松百選」なんて一杯の百選に入ってるようです。
 つまり、百選とは一杯あるのの一つと言う意味もあります。

 熊野市は棚田だらけだったのです。
 丸山千枚田ほどの規模もないし、山に戻った所も多いです。
 はてさて…
 この棚田はいつまで維持できるのでしょう?
 なんとか踏みとどまっている人も高齢化が進んでいます。
 これを買い取って「観光棚田」なんて発想を役所はするかもしれません。
 でも、それが税金をつぎ込んでまでやる事業なのかどうか大きな疑問です。
 「観光」と冠を被せると、採算度外視が許されると言う風潮が日本中にあります。
 されに「地域おこし」も被せれば鬼に金棒になっちゃうので困ります。
 あと50年もすると、観光客の見込み人口も1/3減っちゃうんです。
 そして、全国民がお年を召してきて遠くには来られなくなることは約束されたことなのです。
 全国の棚田百選になっている田圃のほとんどが同じ問題を抱えて、同じように先のことには目をつぶっているのでしょう。
 国レベルで残す棚田とあきらめる棚田の仕分けをする時期かもしれません。
 やっても、骨抜きにされそうにも思えますけどね。

 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-09-10 09:39 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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