近々、熊野に大手の外食チェーン店が開店します。
「すき家」です。
場所は一番観光客が集まる「獅子岩」のそばです。
そこは、昔から「杉山モータース」と言う自動車屋さんがあって、ダイハツの看板が出ていました。
モータリゼーションなんて言葉もカビが生えるほど、自動車に対する庶民の関心も薄れている時代、高齢化と過疎の先進地では自動車屋も大変な時代でしょう。
角地なので車の出入りは見かけより旨くないでしょうけど、国道42号線は右左折しにくいほど車もないし…
カーブがあるけど、信号もあるのでそんなに危なくは無いでしょう。
こんなのが来るたびに聞こえてくるのは…
「ようなるのう…」
「よそ並になってきたのう…」
と言う言葉です。
「ジャスコ」がきたとき、「ホームズ」が出来たとき、「カワイ」がきたとき、「ミスタージョン」が出来たとき、「靴流通センター」が出来たとき、「サークルK」が開店した時、「モスバーガー」が出来たとき…
単純に喜ぶ人は多いです。
そして、小さくなり続ける市場をこそげとられます。
パイが小さいから、チェーン店も中々来ません。
コンビニだって遅かったです。
「すき家」も遅い方でしょうね。
これで「吉野家」は来ないでしょう。
安くて早い…なんてのが売りのチェーンが何軒も出来るほど、住民は居ないし、ビジネスマンなんて居ないし、観光客も長距離トラックも走りません。
これで確かに、外食の選択肢がひとつ増えます。
でも、他の店の売り上げが確実に減少します。
都会の場合でもそうですが、「限られた財布の中身の取り合い」って面は目を向けられませんね。
高度成長期、人口増加期ならパイは大きくなってゆくのですけどね。
田舎では30年も前からパイが干からびて縮みはじめています。
チェーン店のほうは日本では都市部でも頭打ちになって、少しでも見込みがあれば田舎へ手を伸ばし始めています。
スーパーなどの「大店法」も骨抜きですが、「外食チェーン」とか「コンビニ」には規制はありません。
おまけに、リスクはフランチャイズのオーナーがしょいます。
それで、どれだけの酒屋さんとか米屋さんとか雑貨屋さんがフランチャイズ本部に金を巻き上げられたか知れません。
そして、チェーン店オープンのあおりを受けてどれだけの小売店や、ローカルのスーパーが消えていたやら…
今日通ったら、「すき家」「牛丼」の看板を揚げる作業をしていました。
お盆前にオープンなのでしょうね。
しばらくは、子供の小遣いも牛丼で消えるでしょう。
今は我が家の隣の「モスバーガー」で消えているようですけど…
市役所、県事務所からは少し離れているので、数少ないサラリーマンをごっそり攫うことは無さそうですが、個人の食堂はしんどくなるでしょう。
スーパーも無くなり、八百屋も魚屋も無くなり…
気が付いたら、食堂も無い…
そんな町になってしまうかもしれません。
熊野市周辺地図です