LUZの熊野古道案内

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2012年 07月 11日

熊野の旅 津波避難場所 要害山

 熊野市駅前に岩山がそびえています。
 高さは海抜60m一寸です。
 これは地球にくっついた巨大や岩で出来た高台で、岩肌には、この辺が海だった時代の浸食の跡が残っています。
 絶壁なのでどこからでも上れる訳ではありませんが、登りさえすれば津波に対してはこんな頑丈な物はありません。
 予想される最悪の30mの津波でも半分は自ら出ている勘定です。

 この岩山は「要害山」という物で、昔の人は「公園」と呼ぶし、中くらいの人は「成田山」と呼ぶ所です。
 「公園」というのは、木本町時代にこの上を公園みたいにして町民が愉しんだからです。
 「成田山」というのは、戦後、ある人が千葉の成田山の分院をここに作ったからです。
 所有権は海の方側は木本町(現熊野市有地)、後ろの方は二軒の私有地だと思います。
 大部分を占める市有地が宗教法人に貸与され、祀られなくなっても返還されないので苦労した経緯があります。
 以前にその廃墟をここに載せたこともあるほど近年まで残っていたのです。

 昔は子供達が何かと言えば登って遊んでいたのですが、今の子供はこんなしんどい所に登っては遊びません。
 しかし、ここへ来て注目の的になっています。
 木本町は海岸沿いの地面が海抜11mから12mあり、堤防も15mほどあるので、普通の津波では大丈夫なはずでしたが、今では史上最大の予想となると、波高20mにも達することになり、完全に逃げることしか出来なくなり、この岩山が文句なしに頑丈な避難タワーに見えるからです。
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 昨日、建設課と防災対策課と住民で現地調査をしました。
 下の方は「急傾斜対策」で工事をした時に階段もきちんと直したのですが、それから先は手すりも錆びて無くなった所もあるからです。
 道幅は決して広くは無いのですが、非常時には人間ってがんばれる物です。
 住民の中には…
 「緩やかなスロープを付けて欲しい…」
 「リフトを付けて欲しい」
 「みんなが入れる建物を建てて欲しい…」
 「電気も欲しい」
 なんて、要望もあります。
 でもねえ…
 私をはじめ、この辺に住民はこの天然の避難タワーがそばにあるだけでも幸いなのです。
 同じ木本町本町でも少しはなれた所の人はここにもたどり着けず、山も遠いし…
 木本だけでは無く、羽市木だって有馬だって大泊だって…
 新鹿はもっと大変だし…
 熊野市内だけでも大変な事態になっているのに予算は限られているのです。

 と言うことで、この登り道に手すりを設置して貰うことにしました。
 なんとか今年度中に…と言うことでお願いしました。
 たいそうな物を要求すると計画から予算採り…実現は何年先やら…
 それに、来年度予算からは本格的な津波対策が動き出す…
 最悪のパターンでの対策になると、日本太平洋側ほとんどのところが対象になると言うことです。
 つまり、熊野のような過疎地は後回しになりがちだと言うことなんです。
 
 快適さは後回しです。
 生き残ることが最優先です。
 そして、津波が襲ってくるのは自分たちのところだけでは無いのです。
 でも、こんな風に動くと地元からは嫌われかねません。
 予算は必要箇所の整備に対し1/100も無いのですからね。
 野球場を作る金はあっても避難路には金をくれない人がトップなのでねえ…

 いやいや…
 「予算項目が違う」
 「財源が違う」
 と言う、官僚の豊富な知識が邪魔をしているのでしょう。

 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-07-11 10:08 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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