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LUZの熊野古道案内

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2012年 06月 08日

熊野の旅 熊野川 VS 新宮川 濁水

 電源開発は今回もダムの濁水対策について説明していました。

 ダムというものは清らかな川をせき止めるものです。
 海外では濁りの混じった大河をせき止めるものもありますが、日本のダムは山間部の清流が多いのです。
 清流と言えども洪水の時には濁ります。
 停滞したダムの水は、夏になれば微生物が繁殖して緑色になったり赤くなったり、透き通っていても臭くなったりします。
 勢いよく流れている時には藻などは発生しませんし、酸素も補給されるのでずっと清流なのですが、ダムに堰き止められた水は腐ることが度々です。
 熊野川水系でもこれが起きるし、その影響を身近に感じるのは新宮の人でしょう。
 新宮は十津川水系、北山川水系全てのダムの水が合流した熊野川の水が上水道水源になるからです。
 当然のように新宮市は昔から電源開発に沢山のお金を貰っています。
 でも、洪水の分などは貰えませんけどね。
 この連合体も出来た頃は新宮の交渉の裏判を押すようなものだと言われたものです。

 洪水で川が濁ればダムも濁ります。
 通常の濁りは比較的黒っぽいものです。
 この濁りはダムで停滞すると割合と早く沈殿して澄んできます。
 ところが、山崩れを起こして赤土部分が大量に流れ込むとこうはゆきません。
 川の濁りも薄茶色になります。
 これが大量に流れ込むと、細かい粒子が多いので「コロイド状」になるらしく、半年たっても場合によっては二年たっても澄んできません。
 洪水が終わってからの流入水は綺麗に澄んでいるのですが、温度の差とか比重の差があるので混じり合いもしません。

 かつて、池原ダムでは流域で大量の山崩れがあり乳白色になったままでずっと水が澄まないなんてことがありました。
 ダム周辺では異様な光景がずっと続くし、下流では何時までも濁った水が放出される…と言うことが問題になりました。
 この解決策として行われたのは、ダムの取水口をゲート操作だけで出来る中層部だけで無く、高さの変動する水位に対応できる上層部用を作るという工事でした。
 これは全く大変なことで、池原ダムの水を全部抜いてから、ダム内側に大きな塔のような筒状の取水口を新設するものでした。
d0045383_9331897.jpg

 この装置は水を澄ませるのでは無く、濁水を纏めて放水し、洪水時以外は表面に貯まった新しい澄んだ水を使って発電・放水しようというものです。
 洪水時には前の分も含めて放水することも起きるのですが、見かけ上は改善されます。
 ダム上流の土質の関係で白濁成分の粒子は中々沈殿も自分たちで固まる凝固もしないのだそうです。
 取り立てて有害成分も無いですし、下水のように凝固剤を入れる訳にも行きませんからね。

 池原ダムにはこれをつけましたが、七色ダムなどには付いていません。
 昨年9月には七色ダムも乳白色に濁りました。
 随分ましにはなりましたが、まだ表面まで濁った所もあるし、中層部には白濁水が見えています。
 それに、山崩れの起きよい十津川水系は年中濁ったままに近いです。

 こうした濁りは上水道なのでは沈殿槽で沈むようにするのですが、一年たっても沈まない粒子は厄介ですね。
 ライン川も同じような色ですが浄水場の脇には沈殿槽から出た土が山積みされています。
 あんな水を飲むの嫌ですね。
 新宮はそんな水だし…
 それでも、琵琶湖や淀川の水よりは数十倍はましでしょう。
 と言うことで、濁水対策ってお金を掛けてもこの程度しか出来ません。

 
熊野市周辺地図です
 

by je2luz | 2012-06-08 09:54 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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