高野の山を下ると和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野と言うところに
『丹生都比賣神社』(にぶつひめ)があります。別称では天野大社・天野四所明神とも言われています。
この上天野(かみあまの)と言うところは山あいのひなびたところです。その、普通の田舎に朱塗りの社殿を持った大きな社があります。集落としては似つかわしくない立派なものです。
。空海が高野に入り側を根拠地とするとき鬼門に当たるこの地に『鎮守』としてこの神社を定めたと言われます。
第一殿 丹生都比賣大神(丹生明神)にぶつひめのおおかみ
第二殿 高野御子大神(狩場明神)たかのみこのおおかみ
第三殿 大食都比賣大神(気比明神)おおげつひめのおおかみ
第四殿 市杵島比賣大神(厳島明神)いちきしまひめのおおかみ
若 宮 行勝上人 ぎょうしょう 境内社 佐波神社
など沢山祀られています。ここでも神仏混合が現れています。この、神仏渾然としているのが日本の風土です。天平年間からの書き物があるようです。
土着の宗教を否定しないで抱き込んでゆく方が、布教はしよいでしょうね。○○神は××菩薩に当たる・・・などと結びつける手法もとられていますね。
この『丹生都比賣神社』には『八百比丘尼』(やおびくに)の伝説もあります。なにやら、おどろおどろしい話ですが、これは次にでも話します。
この神社は入り口に住吉さんのような太鼓橋を持っています。小さな池をわたるために作ったもので岩国の錦帯橋のように必要があって作ったものではありません。
社殿は朱塗りで随所に飾りが施された派手なものです。その分、この山あいの鄙びた集落の鎮守様ではないのが読み取れます。
この派手な神社は日本における朱塗り社殿などの最初であるとも言われています。
空海は唐の国から帰ってきた、まあ『ハイカラさん』ですし、中国式ゴテゴテを持ち込んできてもおかしくないでしょうね。お坊さんの世界は『墨染めの衣』をまとうといいながら、出世すると一般人ではとても切られないようなド派手な衣や袈裟を身に付けますからね。
この神社は山から下りてかなり暖かいところにあるので、昔は高野山のお坊さんが冬場に降りてきて過ごしたようでもあります。
ここの宮司さんは親切そうですから、お参りの人の少ないときは色々お話が伺えそうです。
道路もかなり改良されてきていますので、高野山参拝の折、この『丹生都比賣神社』にもお参りされると良いかと思います。割合と素通りされている穴場かと思います。
カメラは
イコンタ523/16