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LUZの熊野古道案内

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2012年 05月 10日

熊野の旅 自然と言うもの 

 熊野の良さは自然の良さでしょう。
 熊野信仰自体が「古代自然信仰」みたいなものです。
 熊野市の三山、「花の窟神社」「産田神社」「大馬神社」…これらは鏡だ剣だと言う神器が信仰対象では無かったようです。
 どちらかというと神社としては異様に小さなものです。
 熊野三山の方は信仰対象として沢山の人が来て寄進も多かったでしょうから立派な神社になっていますが、那智は滝や山々、新宮は神倉の岩山が元々の信仰対象でしょう。
 本宮は今の山の中腹では無く熊野川の河原ですから少し趣が違いますけど…

 田舎、辺地、僻地ですから、日本列島改造論時代でも、計画だけは一杯ありましたが、開発はされませんでした。
 熊野市でも、我が家の前当りから鬼ヶ城まで歩かずに行けるロープウエイ、鬼ヶ城から海の向こうに見える猪ノ鼻灯台まで…駅のそばから木本を見下ろす華城まで…全部で10本を超すロープウエイを作る青写真が第一期総合計画に書かれていたと思います。
 おかげさまでこんな馬鹿げた施設は出来ませんでした。
 いやいや…
 馬鹿げては居ないでしょう。
 お歴々が真面目に考えたのですからね。
 それに、日本が成長期だったし、こうした事業も「補助金」でやるので「熊野の金はあまり使わん」ですからね。
 とにかく、何か箱物を作ることが地域発展だと言う迷信が出来上がったのもこの頃でしょう。
 「日本列島改造論」をぶち上げた田中角栄さんの選挙区、新潟三区でしたか?、そこのでは山の中まで二車線の道が走り回っていました。
 
 自然しか見せる物が無い…
 自然のままでは客が来ない…
 点から点へ効率よく廻るのが観光だと思われてきました。
 四国88箇所のお遍路さんでさえ「バスで巡る四国霊場」なんてのが喜ばれたのですから。
 「熊野古道」なんてのも「世界遺産」に登録されたから歩きに来る人が居るだけで、指定されなかったら、数少ない歴史マニアが歩いてみるだけです。
 市内の「松本峠」とか「大吹峠」なども木本高校の生徒が遠足で通っていた程度でした。
 私の頃は忘れられていたのですが、こうしたものを好きな先生が提唱してからずっとやって来たようです。
 世界遺産指定以前に私が「松本峠」に行ったのも、「熊野古道」としてでは無く、鬼ヶ城の天辺に行くためでした。
 高校時代には花の窟神社の天辺に登ったり、華城の天辺に行ったり…
 「馬鹿と煙」だったようですが、普通では行かない所だったですね。
 「蟻の熊野詣」で踏み固めた道も自然に帰っていたのです。
 平成になってたたき起こされていますが、眠そうかな?

 自然と言うものは変化して行きます、
 山は浸食されて低くなるものだそうです。
 片方では押し上げられて高くもなります。
 川は溢れて扇状地などを作ります。
 「君が代」では石が岩になりますが、自然界ではその例が少なく、強固な岩盤でさえ水や風で痩せて行きます。
 こう書くとたいしたことの無い自然現象ですが、人間にとっては全部災害です。
 大地が動いたりすると大変なことですからね。

 鬼ヶ城の洞穴などの形、獅子岩のあごの形…微動だにしないような岩の塊ですが、私が知っている間、自然界で言えば一瞬にもならない期間で何度も崩れています。
 鬼ヶ城の周遊道路なんて私が子供の頃の「下の道」はかすかに痕跡を留める程度に消えています。
 波と風が岩を10cmほどは削ったと言うことでしょう。

 このように結構もろいのが自然ですし、もろいから面白い形に浸食されているのです。
 でも、近年、まともに鬼ヶ城観光が出来たことがほとんど無いのです。
 周遊路どころかパンフレットに出てくる「千畳敷」にすら行けないこともあるくらいです。
 数年前には千畳敷のひさし部分の岩が風化で耐えられなくなって落下したこともあります。
 1トンを越すようなかけらでした。
 そんな出っ張りがあるから鬼ヶ城らしいのです。
 刻一刻と痩せて居るのも事実でしょう。
 どこの観光地でも同じですね。

 倒れそうなものは倒し、崩れそうな斜面は国道のように巻き立てし、危なそうな所は通行止めに…
 安全優先にすると、見るところが無くなるでしょうね。
 日本の海岸線は津波で危ないですから近づけないし、山は崩れるし、火山は噴火するし、都会などは車も地震も危ないし…
 中国には「杞憂」てえのがあるし、西洋では「チッキンリッキン」なんてのがあります。
 気にしていては生きて行けません。
 短い一生ですから、生きている内に色んな物を見て老いた方が得でしょう。
 いや???
 成仏して仏になったらワープも自由自在みたいですから、世界一周も80日も掛からないでしょう。
 それまで待った方が得なのかな?
 でも…
 悪行のせいで地獄に落ちたら自由がなさそうです。

 熊野詣では「現世の観光」ができて「来世の観光予約」も出来る様です。
 有り難いですね。
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熊野市周辺地図です
 

 

by je2luz | 2012-05-10 10:40 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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