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LUZの熊野古道案内

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2005年 08月 19日

熊野の旅 番外 高野山雑記

 高野山のある位置は紀伊半島の付け根の山岳地帯です。北から来ると紀伊山地の入り口に当たります。
 金剛峰寺のある場所はなだらかな起伏がある広い台地状ですが、ここに登るにはものすごい急坂を登らなくてはなりません。下界から見るとその崖の上にこんなに広い平地があるようにはとても見えません。
 高野山はまさに高(たか)野(の)なのです。
 昔はこの霊場は『女人禁制』でした。日本の霊場には非常に多い物です。密教系のものは特に多いですね。
 『女人は穢れる』などと理由をつけていますが、空海も人の子、『御母堂様』を慕い敬い、ある女性をこよなく愛しみました。この件は後日書きます。
 なのに・・・修行の場には女性を寄せ付けない。これは『女性が来れば聖なる場所が穢れる』のではなく、『煩悩から脱却できない己の心が乱れるのが怖い』なのだと思います。しかし、そんな本音を口にしたのでは世の信頼は消し飛びますね。数多い僧侶の中には間違いを犯すものが出てきます。それは未然に防がないと修行も何も成り立ちませんね。私など、100%ふらふらしてしまいます。
 高野山には『刈萱物語』(かるかや)が伝わっていますね。押さない刈萱が高野の山に入り僧侶になるとき母親が女人禁制の結界まで送ってきた話です。経緯がどうあれ、母親の心情はこれが当たり前の話でしょうね。後日紹介します『大峰山』の修行場を開いた、かの超人『役の行者』(えんのぎょうじゃ)の場合でも女人禁制の結界のそばまで母親が追ってきて息子の無事を祈り続けたそうです。今の過保護母親を無碍に攻められないのは、こうしたものが全て美談となっていますからね。
 僧侶になると言っても、無理矢理戦場に送り込まれるわけでもないのですが・・・それからすれば、昔にしろ近代の戦争にしろ雑兵として借り出された兵士の母親・父親・女房の悲しさ、不安はいかほどだったでしょうね。刈萱の話に涙を流すなら無名兵士の話では心が張り裂け、グアム・サイパン・中国・朝鮮半島・フィリピン・インドネシア・・・・アジア各地で有頂天になってバカンスを楽しめないはずですが・・・どこに行っても日本兵・軍属・日本の民間人の墓や慰霊碑、そして巻き添えになった現地の人の墓が並びます。
 全てを包み込む高野の山が世界平和を祈願するには適した霊場の一つでしょうね。
 高野山は高地なのでものすごく寒いところです。なにせ夏でも布団をかけないと寒くて眠れないところですから・・・
 この機構から生まれたのが『高野豆腐』です。関西ではこう呼びます。「凍り豆腐」「しみ豆腐」と呼ぶときもありますね。豆腐が凍ってスだらけになって乾いたものです。今ならどこででも作れますが昔は高野ほどの厳しい寒さが無ければ出来なかったのですね。
 もうひとつ『ゴマ豆腐』も名物になっています。高野山にはものすごい数の修行僧の食をまかなうため、更には山を埋め尽くすほどの参拝者を受け入れる宿坊の食事のため、精進料理が発達しています。山菜・乾物なども土産物屋に並びますが、こうした精進料理こそ出汁が決め手になります。本当においしいものを食べたいなら、やはり宿坊に泊まるのが一番でしょうね。
 宿坊に泊まって、おいしい精進料理を頂き、朝、暗いうちから奥の院の境内を歩き『弘法さん』の前でじっくり心を洗い、朝食には『茶粥』でも頂いて下山されれば良いと思います。
 下山される時には、ちょいと寄り道された方が良いところがあります。

カメラは イコンタ523/16

by je2luz | 2005-08-19 12:18 | 熊野 | Trackback | Comments(0)
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