これは御浜町阿田和、尾呂志川河口付近の光景です。
死者一名をだし、民家や紀南高校を水浸しにした、台風12号関連水害の時に流れ出た流木です。
「瓦礫」ではなく「流木」ですね。
井戸川と違い、山の木が流れ出にくい川なのですが実に大量の流木です。
家の壊れた廃材も含まれています。
この「尾呂志川」をこの河口から3Kmも遡らないところに、こうした物をペレット状の燃料に変える工場があります。
三重県が誇った「ゴミ発電所・RDF」用の燃料を作る工場です。
南牟婁郡町村が共同で建設し、今ではその一つの紀和町と合併した熊野市も紀和町分のゴミ処理をすると言うことで加入しています。
ほとんどの方はもうお忘れでしょうが、この「ゴミ発電所」は大事故を起こしました。
事故自体はたいそうな物と思えませんが、消火活動の時に知識不足?と言うような事をやったので、爆発し、消防士さんが死亡したのです。
ゴミを燃料に発電する…
合理的で良い方法なのです。
大きな町の焼却炉では二十四時間操業で冷却を兼ねて発電している物があります。
しかし、小さなところでは「ゴミ」が足りないので連続運転とか発電が出来ないのです。
そこで、ゴミを乾燥・圧縮して均質化したペレットを作れば、発熱量も計算しよいし運搬も楽になる…
と、言うことで三重県下で作られていったのです。
熊野市の今の焼却炉を据える時にはまだ検討段階だったので、理論的には良い方法ですが熊野市にとってコストも上がりそうだし、炉の建設も伸ばせないので今の普通の炉にした経緯があります。
その時には石焼き芋のような方式で焼く炉とか色々検討しました。
その当時の御浜町の炉はユニチカでしたか…老朽化が始まっていました。
そして、新しい炉を作る時に、御浜町・紀宝町・鵜殿村・紀和町が共同でこの「RDF固形燃料製造プラント」を据えたのです。
その後で本体の発電所が事故を起こし…
いまでは、その発電所は廃止の方向のはずです。
ごらんのように見事な材木の山です。
ここだけではなく井田海岸にもあります。
熊野の木本・井戸・有馬海岸にもあります。
粉砕すれば良い燃料なのですが…
ゴミのあるのが海岸で管理は三重県…
おまけにペレットは要らない…
だから、片付きません。
理想と現実…
ゴミが資源に…
それすら完全には機能しないのです。
東北の瓦礫の中にも燃える物は沢山あるのですが、こんな事も報道されませんね。
世の中から忘れられた「理想のシステム」なのです。
熊野市周辺地図です